視点 オピニオン21 |
■raijinトップ ■上毛新聞ニュース |
. | |
|
|
◎言葉を学ぶ仲間として 日本語教師としての経験は、たまたま目にした17年前の新聞記事がきっかけで始まりました。「日本語教師養成講座を開くので、就業者のために日本語を教える人を募集」とありました。その講座を受け、そのまますぐ教え始めたのです。 日本語教師の経験者がいないまま、数人ずつのグループに分かれ、手探りでの日本語教育でした。毎回、終わった後に反省会をし、次回の準備をするという、勉強会のようなもので、とてもよい経験になりました。私は約1年半でしたが、それぞれのお国の料理をごちそうになったりして、楽しい経験でした。 それから7年、「ボランティア アシスタント日本語教師募集」の記事が目に留まりました。申し込んで、1年後、いざオーストラリアへ。ラ・トロープ大学で英語研修と日本語研修を受け、その後ニュージーランドへ。1人で下り立った空港は小さな空港で、人も少なく、この時の寂しさは今でも忘れられません。迎えに来てくれたアウトラム小学校の校長先生と奥さまの笑顔に救われました。 この小学校では、私がいる1学期間を「日本学期」とし、各クラスに日本に関する本、および日本語の本が置かれていました。私も初めの1カ月は各クラスを回り、日本および日本文化の紹介をしました。 全部で7学年あり、各学年1クラス。この中の上の学年から希望者を募り、10人の日本語クラスが二つできました。すべて校長先生の配慮でした。このクラスでは、お茶・お習字・料理・平仮名カルタを作って遊んだり、ラジオ体操をしたりしました。また、童謡「雪」を練習し、全校集会の時、みんなの前で歌いました。 高校では日本語のアシスタント。時々、漢字を間違えて教える先生に、ハラハラしましたが、生徒たちとは親しくなり、昼休みには一緒に楽しくお弁当を食べておしゃべりしました。 この経験を生かし、これからは日本にいる外国人の子供たちに日本語を教えたいと思っています。 英語活動では、「異年齢集団」での活動でしたが、それを模して「異国籍集団」、つまり「国籍は違うけれど人間としては同じであり、日本語を学ぶ仲間であるということ」での活動を考えています。31日に、試みとして伊勢崎市の日本語教室(電話0270・22・2032)で「絵本作り」をします。国籍を問わず子供であればだれでも参加可能で、オリジナルの絵本を作って、持ち帰ってもらいます。日本語が分からない子供たちのためにそれぞれの通訳さんにお話の内容を説明してもらいますが、最終的に日本語でお話を楽しめるようになってくれることを願っています。 本欄に執筆させていただいたおかげで協力者も増えました。最後に皆さまに感謝して終わります。 (上毛新聞 2010年10月29日掲載) |