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◎思い続けることで実現 2000年3月末、勤めていた保険会社を定年退職して古里足尾に帰ってきました。当時は日光市の合併問題が議論されていました。私も論議を聴き、財政の現状を知るに至って合併を賛成する気持ちになりました。 足尾に帰った当時の街の印象は、まさに自然死を待っているようでした。わたらせ渓谷鉄道も赤字続きで経営が難しいと言われていました。私は400年近くの歴史ある近代工業の発祥地である足尾を元気な街にしたいと思いました。そして、大勢の人たちが訪れ、住民がどんどん増えていくようにと、夢のようなことを考えながら歩んできました。 学生時代から、会社員時代、足尾に帰ってきてから今に至るまでの体験を通して、私の信条としてきたのは、「夢は実現するためにあり」「思いは思い続けることで実現できるもの」ということでした。この思いで、10年後には実現したいと願っていることを、以下列挙します。 まずは当面の目標として、(1)足尾歴史館の2代目館長候補を求め、2015年までに決める(2)足尾歴史館の充実を図り、「楽迎員」を増員させ、産業遺産と環境学習のガイドを養成する(3)仮称「足尾駅交通博物館」を2015年をめどにスタート―を考えています。 とんでもない計画として、(4)足尾の「トロ道」(昔、銅山のトロッコが走っていた道)にガソリンカーを走らせる(5)わたらせ渓谷鉄道を、今は使われない「足尾本山駅」まで延長運転する―があります。 さらに、(6)今年9月1日から、足尾では初めて「足尾歴史館」「足尾銅山観光」共通のユニック・クーポン券が発行されました。これを発展させて、ゆくゆくは足尾の主だった見どころを、一括共通券で巡れるようにしたい。 (7)わ鉄を利用した人たちが、歴史館に自動的に入り、足尾の歴史を学んでいただくコースをつくる(8)足尾銅山の世界遺産登録をめざし、暫定リスト入りする―という夢もあります。 (9)足尾町では地域振興策としての人口の増加策については本気で手を打ってこなかった。そこで、空き家対策に真剣に取り組みたい。 (10)足尾総合支所の建て替えの際、全国の鉱山に関する書籍をそろえた文庫を併設して、研究、勉強のために活用できる施設とする。 (11)掛水の古河社宅(所長宅含む2棟)を仮称「古河記念館」または「古河資料館」としてオープンさせたい。 当然のことながら、これらを実現させるためには、多くの方々のお力を借りなければなりません。みなさんと一緒になって夢をかなえたいと思います。 (上毛新聞 2010年10月2日掲載) |