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◎地域の魅力を情報発信 コミュニティFM放送局ってご存じだろうか。 最近ではNHK朝の連続テレビ小説「つばさ」でヒロインの職業がコミュニティFM放送局勤務のスタッフということで名前ぐらいは知っていらっしゃる方も多いのではないか。現在では、全国に約200局あまりものコミュニティFM放送局が存在している。私は、その約200局の一つ、伊勢崎市にあるコミュニティFM放送局「いせさきFM」で働いている。 コミュニティFM放送局は欧米では、1970年代に規制緩和によって次々と誕生したそうである。 日本では1980年代ごろに、「ミニFM」と呼ばれる可聴範囲数十メートル程度の無線局がブームとなり、学園祭や運動会など、町の話題や地域のコミュニケーションの場としての放送や、商店街や町おこし、イベントの会場案内、スタジアムや競馬場等で利用されることが多くなり、ラジオ局の存在が認知されるようになった。その後、80年代後半のバブル景気の時代には、民放県域放送FM局の開局が進むなど、地方でローカル局が次々現れた。このような放送の多様化の流れと同時進行で、1991(平成3)年7月に開催された臨時行政改革推進審議会(第3次行革審)にて多様で個性的な地域づくりが提唱され、92年1月に放送法の一部改正が行われコミュニティ放送は制度化された。 伊勢崎市は群馬県南部に位置しているため、テレビは東京のキー局を受信している。必然的に東京に足が向きやすい。放送局の本社のほとんどが東京にあり、実質的に東京からの情報が多くなっているのが原因である。さらに、テレビだけではない、ラジオもまた東京の情報を発信している局が目立つ。テレビやラジオの視聴程度は時間の差こそあれ、すべてといっても過言ではない人が接している。そこから放送されるCMや情報番組の影響を受ける。その内容は放送局の本社がある中心都市のもので、その情報、メッセージを受信した人が集まる。これでは、地方都市の空洞化が起こって当然ともいえる。 県域の放送局は県域を放送エリアにしているが、県域すべての情報を均等に扱っているわけではない。こうしてみるといかに地域の情報を発信している放送メディアが少ないのがわかる。 こうした問題を解決するメディア、つまり地域限定の放送メディアとしてコミュニティFM放送局に注目して頂きたい。 弊社いせさきFMも2008年11月28日に開局して1年が過ぎた。 ヒトや自治体、企業や学校など地域の魅力がいっぱいある。もっともっと地域の魅力を情報発信していこうと思う。 (上毛新聞 2009年12月12日掲載) |