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◎競技しやすい施設に 今年6月、本県で「第38回関東ろう者体育大会」が前橋市で開催された。ソフトボール競技は2日間、前橋工科大グラウンドで行われた。 運営は県聴覚障害者団体連合会、県ソフトボール協会が中心となり、各手話団体の協力で行った。6都県の参加であったが、障害を持ちながら全力でプレーをする姿は、運営に携わった同協会の役員に感動を与えてくれた。優勝は来年開催の栃木県チーム、準優勝は山梨県チームで無事終了した。 スポーツは障害のある、なしにかからず互いに共感し感動を与え合うことができる。障害者自立支援法の施行から3年が経過し、多くの施設で整備が進んでいる。しかし、健常者が駐車して利用できない現状や、球場によってはトイレやスロープが不備で利用できない所もある。 今年10月には日本女子ソフトボール1部リーグ高崎大会が開催される。障害者の駐車場確保はできるが、残念ながらネット裏や内野スタンドへのスロープとなると施設が整ってはいない。 高崎市浜川体育館は、車椅子(いす)バスケットボールの大会を19回開催している。当初は車椅子で床を傷つけることやトイレの心配をして開催されたと聞いている。体育館入り口のスロープはボランティアの方が作業したそうだ。その後、競技の理解や車椅子トイレが完備され、現在も大会が継続されている。 今から13年前、アトランタオリンピックのソフトボール競技を観戦した。ソフトボールの会場は、コロンバス市の野球場を改修し球場になっていた。球場に入って驚いたのは、内野スタンドへは、どの入り口からも車椅子で観戦できるようにスロープが用意されていたことだ。2階バックネット裏の一番見やすい席は、車椅子専用のスペースが用意されていた。また、外野スタンド前列席にも車椅子の席があり、スタンド裏の売店に通じ、いつでも飲食ができた。 昨年、県スポーツ賞顕彰式で、北京パラリンピックのウィルチェアーラグビー(1チーム4人・車椅子ラグビー)で7位に入賞された選手とオリンピック女子ソフトボール日本代表の金メダル選手らと同席した。式終了後、一緒に写真を撮ったり、サインを交換していた姿に微(ほほ)笑ましく思い、あらためて選手や応援者を受け入れる会場の必要性を実感した。 今後も、県内のスポーツ施設の新設や改修が行われると思うが、障害者が競技しやすい、観戦しやすい、施設づくりにより一層の配慮をお願いしたい。 (上毛新聞 2009年8月30日掲載) |