視点 オピニオン21
 ■raijinトップ ■上毛新聞ニュース 
NPO法人手をさしのべて理事長  桜井 信治(高崎市寺尾町)




【略歴】県内22団体で組織する不登校ひきこもり支援団体ネットワーク代表。学習塾グローイング代表。高崎市まちづくり市民会議、県教育問題県民懇談会の各委員歴任。



ストレス社会



◎適度に付き合い活力に




 ストレス社会なんて言葉をよく聞きます。これだけ厳しい状況で働かなくてはなりませんから、ストレスがたまるのも分かる気がします。でも、ストレスはエネルギーにもなります。

 心理学的にはストレッサーといいます。ストレスを与える状況ですね。不快なものではなく、「問題」だと考えていただければ分かりやすいかもしれません。人間って、問題がないと動けない部分が多くありますよね。私も仕事が忙しいときには正直、家庭のことがおろそかになります。夫婦間の会話もなくなったりしますね。でも、子どもの問題がからんでいるときは別なのです。そこは特に大切に思っているからかもしれませんね。そのときだけは、仕事が忙しくても手を休め対応してきたように感じています。

 家庭を守るためにと仕事優先になってしまいがちですが、そんなときだけは対応しているように感じています。そんなときでないと動けない部分もあるのでしょうね。普段は任せているからでどうにかなっていても、いざというときはどうでしょうか? むしろそこを待っているのかも知れませんね。

 ちょっと例としては当てはまらないところがありますが、やはり何か問題がないと動けない、動きづらいところってありませんか? 仕事でストレスがたまる。これもそれだけ仕事があり、それをこなすことで何かを守ろうとしているのではありませんか? そんなことを考えると、ストレスは決して悪いものではないように思えませんか? むしろストレスがあるから頑張れると思いませんか? ストレス社会ということは、一人一人の役割が大切な社会になってきているとも判断できますよね。

 人間は弱い生き物で、何か問題がないと動けないところがあります。考えてみてください。例えば休みの日、趣味もないあなたが自然に朝起きました。その日の日程も何もありません。そんなときあなたは何をしますか? 私なら二度寝します。そしてその後起きてもボーっとしているでしょうね。やるべきことがあるから動くことが出来るのですよね。そんなことを考えると、やはり適度なストレスは大切ですよね。そしてそれが動くエネルギーになっていると考えるとどうでしょうか。

 ストレスをためると、それなりの障害も起きますが、適度に付き合い受け止めることでエネルギーとなります。これは考え方次第なのかもしれませんね。心というものは見ることも出来ませんし、触れることも出来ません。でも、気持ちの持ちようで変われるところはありますよね。ストレスも受け止め方でエネルギーになります。うまく受け止めて活力にしていただきたいと思います。






(上毛新聞 2009年7月8日掲載)