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◎適量、適温でこまめに 夏の暑い季節がやってきました。この季節もJリーグの日程は休むことなく続きます。そしてより一層ハードな日程となってきます。そのような時季を高いパフォーマンスで乗り切るための重要なキーファクターとして、私は水分補給を挙げます。 サッカーのテレビ中継などで、ボールがタッチラインを割った際や、けがで選手が倒れいったん試合が中断した際などに、選手たちはそろって水を飲むシーンを見たことがあると思います。それこそが高いパフォーマンスを維持するための重要な取り組みなのです。 ザスパ草津トップチームの全選手は、練習前と練習後に体重測定を行います。練習前と練習後の体重を比較し、その日の練習で汗によってどれだけ体重が減少したかを割り出します。一般に体重の3%の水分が失われると、運動能力の低下、体温調節能力の低下がみられるといわれています。それらを低下させないために、試合中、練習中、試合前、練習前の水分補給が重要となってきます。 水分補給の目安は、基本的にどのスポーツも競技前に250ミリリットル~500ミリリットルの水分をとり、競技中は発汗量の70~80%の水分を補給することが原則といわれています。 ザスパ草津では試合の日は、選手たちにスタジアムへの移動の際のバスで500ミリリットルのミネラルウオーターを1本渡し、それを飲むように指示しています。競技中は15分ごとを目安にこまめに水分補給を行うことが理想です。 そして水の温度は5~15度に設定するようにしています。その温度に設定すると飲みやすく、胃から腸への通過も速くなり、腸での吸収も速く、体温上昇の抑制にも効果があります。ただ、競技中はなかなか水分補給を行うタイミングがないので、前記のように、プレーがいったん中断した際に、必ず水分補給を行うよう指示しています。 また、真夏の暑い時季ではただ単に水分補給を行うだけでは体温が下がりにくいので、手や足などユニホームから露出している部分に水をかけ、身体を冷やすことも指示しています。よくスタジアムやテレビ中継などで選手たちが大腿(だいたい)四頭筋(ももの前の筋肉)や首に水をかけているシーンがそれに当たります。 このようにプロスポーツの現場だけではなく、どんなカテゴリーにおいてもパフォーマンスを維持するためには、こまめな水分補給は絶対不可欠な存在と私は考えます。 こまめな水分補給が夏を征するといっても過言でありません。 (上毛新聞 2009年6月26日掲載) |