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◎「地域ブランド」の創出を 食卓に並ぶ料理、身近な生活用品など、日々の買い物にスーパーマーケットは欠かせない。そこで品選びをする消費者の目は厳しく、産地をはじめ原材料、栄養成分表、賞味期限、販売者などを詳細に見る人が増えている。それは商品の価値を判断し、商品の安全と安心を買うことになるからだ。さらに、最近の産地偽装や虚偽表示のニュースは、消費者の安全と安心への意識を一層高いものにしている。 一方、スーパーマーケットでは、独自に企画、開発した商品「プライベートブランド」(PB商品)の製造、販売を展開する中で、安全、安心といった「信頼の商品づくり」に取り組んでいる。原材料の厳選、産地名、販売者名などの表示、無駄を省いた価格、環境へのこだわりも消費者の信頼へとつながっていく。 私は、首都圏を中心とした私鉄系チェーンストアグループが全国の五百二十六店舗で販売しているPB商品のパッケージデザインを長年制作してきた。その制作側からの視点でとらえると、商品の質や価値、使い方や利便性など、そして企業姿勢や消費者への対応を表現するパッケージデザインは、販売者と消費者を結ぶ橋渡しになる。 支持される商品づくりは、厳しい品質管理の中、生産現場での素材チェック、工程管理、衛生管理、検査基準などを経て初めて確かなものになっていく。この商品づくりを、デザイン表現でブランドマークに象徴する。そして、基本理念をスローガンに掲げ、コンセプトに基づきブランドネーミング、カラーやデザインイメージの統一などを図って仕上げる。 ところで、ブランド創づくりにあたっては、町や村といった地域全体をブランディング(ブランド化)する「地域ブランド」がある。地方の時代となり、地域に財政的な自立が求められ地場産業の魅力づくりが動き始めている。地域の持つ環境などの資産がたとえ豊かであっても、その魅力を積極的に磨き上げる努力が必要となってきた。 「地域ブランド」は、地域全体の構成がブランドになるため、領域を分けながら完成させることにより、全体が有機的につながり合っていく。観光、商品、そしてそこに住む住民も、時代の変化をとらえてそれに対応していく。地域のブランドネーミングの社会的な評価、評判が高くなった時、地域ブランド全体の水準が押し上げられ、信頼はさらに増幅し、地域ブランドにプレミアムが生まれる。 このように、地域全体のブランドをいかに創り上げていくかが、元気の出る地域づくりには必要なのではないだろうか。 (上毛新聞 2009年4月25日掲載) |