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環境こつこつ市民の会会長 松島 規雄(伊勢崎市波志江町)



【略歴】環境こつこつ市民の会会長として、廃食用油や雑古紙の回収啓発活動などを展開。(財)省エネルギーセンター省エネルギー普及指導員。伊勢崎三中PTA会長。



省エネルギー



◎効率的に使って管理を



 これから一年間を通して、くらしに欠かすことができないエネルギーを上手に使う方法を中心に、皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。「省エネの説教かよ、うんざり」と思われるかもしれません。一般的に、生活者が意識している「省エネルギー」の意味は「生活の中で消費しているエネルギーの節約を図ること」で、ここで示されている言葉の意味は「節約」です。

 しかし、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、「省エネルギー」は英語ではEnergy Conservationであり、Energy Savingではありません。Conservationには「保護」「管理」「保存」といった語意があり、例えばEnvironment Conservation(環境保全)の意味は、自然環境を管理しつつ維持していこうということです。

 この考え方に基づき、省エネルギーの意味を考えれば、エネルギーをできるだけ「効率的に」利用しながら、その資源の管理・保存を図っていこうということです。

 私が省エネルギー普及指導員として所属している(財)省エネルギーセンターでは、省エネルギーを我慢や節約というイメージでとらえるのではなく、もっと地球規模で考えています。省エネのシンボルマーク“スマートクローバー”を定めて、地球と人々の未来のため、これまで享受してきた便利さ、豊かさをよく見直し、エネルギーを効率的に使うこと、かしこくシンプルでスマートな省エネ型ライフスタイルを過ごすことについて考えてほしい、とアナウンスしています。

 では、手始めに私たちの使っているエネルギーについて整理したいと思います。現在の私たちのくらしや社会は、エネルギーの消費によって成り立っています。日常生活に欠かすことのできない電気、ガス、水道はもちろん、現代社会の基礎となっている運輸、通信などもすべてエネルギーを利用しています。

 私たちの目に見えないところでも、多くのエネルギーが消費されており、農作物、食品、洋服など、あらゆる製品はその生産過程においてエネルギーを利用しています。

 このように、私たちのくらしを支えているエネルギーは大きく二つに分けられ、電気・ガスなど直接的に消費されているエネルギー(直接エネルギー)と、食料・洋服やさまざまな製品の原材料生産や製造・加工・輸送などに間接的に消費されるエネルギー(間接エネルギー)とがあるのです。

 次回は、省エネルギー対策の意義と生活分野でのエネルギー消費の現状についてお伝えいたします。





(上毛新聞 2008年12月16日掲載)