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◎積極的に精密検査を がんを告知された。前立腺がんである。PSA(前立腺特異抗原)検診の数値が4以上で精密検査が必要なところ、12と出た。 早速、地元のクリニックで精密検査を受けた結果、二カ所からがん細胞が確認された。 同クリニックと大学病院にお世話になり、お二人の先生に診察と治療計画を立てていただいた。診察結果は進行がステージC。がんがリンパ腺や骨などに転移していないが前立腺から滲(にじ)みだしている状態である。その上、がんの悪性度が8以上の進行の早いタイプで10と知らされた。全く思いがけない事実に心の動揺を隠せなかった。 六カ月間のホルモン治療(毎日の投薬と三十日に一回の注射)ののち放射線治療をする計画となった。放射線治療は従来の外部照射のほかに、前立腺の内部にのみ照射をする小線源治療である。全国で十カ所しか行われてない治療法で、それが群馬で受けられるのは幸運であった。 ところで、私は西洋医学を前立腺がん治療の中核としながらも、東京の漢方医に漢方薬治療を受け、自分で学んだ氣圧(きあつ)法と呼吸法を毎日行うなどの方法も併用している。 漢方医には日常生活を変えることを勧められた。食べ物は緑黄野菜、大豆食品、トマト、とくに重金属排除に有効なパセリを多くとること。一日に午前と午後三十分以上屋外へ出ること。六千歩以上歩くこと。歯科合金をセラミックに替えること。三十回以上咬(か)むこと…。歯科医に歯をセラミックに替えていただいたことを含め実行している。 これらの結果、PSAの数値は五月の12から、七月は7、九月は0・1と確実に下がってきた。とりあえず、がんの活動は弱くなっているが、治療はまだまだ続くのである。これは天が私に与えてくれた試練だと受け止めている。 伊勢崎市は前立腺研究財団から助成金を受け、免疫学研究事業として市民を対象に無料でPSA検診をし、前立腺がんの早期発見に努める拠点として全国四カ所の一つに選ばれている。昨年度の市のがん検診者は七万三千三百八十八人で、そのうち精密検査の対象になった人は4%。精密検査の受診率は、乳がん検診が96%だが、前立腺がん検診は34%だった。 精密検査は前立腺がんの早期発見・適切治療のシステム活用のために欠かせないものである。男性は対象になったとき、がんを恐れず、自分の命を自分で守るため積極的に受けてほしいと思う。 PSA検診で命を救われた私としては、PSA検診を積極的に推奨する運動を展開されている群馬大医学部附属病院、医師会、伊勢崎市、NPO活動などすべての皆さまに感謝している。ありがとうございます。 (上毛新聞 2008年11月14日掲載) |