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◎連携し自立を支える 昨年六月に厚生労働省の委託を受けて県が開設した「ぐんま若者サポートステーション(サポステ)」は、ニート状態の若者が社会とつながりをつくるための支援機関です。開設一周年を迎え、社会的自立に向けての相談やさまざまなワークやセミナーのために来所した若者や家族は延べ二千五百人を超えました。 国の再チャレンジ推進会議では、今後取り組むべき課題として、「地域における若者支援の拡充」を挙げており、地域での若者支援ネットワークの構築が急務となっています。 県では昨年十月に、関係する二十四支援団体が一堂に会し、官民連携の第一回「群馬県若者自立支援ネットワーク会議」が開催されました。この会議の目的は、各支援機関がそれぞれ得意とする専門領域を柱に、連携して一人の若者の自立を支えていくことにあります。従来、国内にはこのような、ツーウエー(相互)でかつ縦横の関係で支援を実現する連携の輪はほとんど存在しませんでした。 支援対象者の掘り起こしである「発見・誘導」の分野では、県・市町村の関係部署、地域の民生委員・児童委員や町内会などがあります。 次に、「就労支援」分野では、ハローワーク、県若者就職支援センター(ジョブカフェ)、産業技術専門校、民間の人材情報企業などが、「自立」を確保するための就労、職業体験やインターンシップ、ボランティア体験などの協力先としては企業、個人事業主、事業主団体(商工会議所、商工会、商店街振興組合、経営者協会、中小企業家同友会など)やNPO法人などがあります。 「ニート予防対策」分野では、県・市町村教委、小中学校、高等学校や大学などの教育機関、県生涯学習センターなどと連携しています。また、これまで支援の手が差し伸べられていなかった発達障害など特徴ある対象者に対しては、こころの健康センター、県発達障害者支援センター、群馬障害者職業センター、保健福祉事務所、関係医療機関と連携しての支援ができることになりました。 サポステを核とするこのネットワークの特徴は、若者たちはサポステに片足をつけたままで各人ごとの自立支援プログラムにより、必要に応じて他の最適な支援機関での支援サービスを同時に受けるというものです。つまり、サポステは若者を関係機関に紹介してそれっきりというのではなく、他の支援機関と連携し継続して支持しフォローしていくというものです。 実際に、関係機関の支援ネットワークによってきっかけをつかみ、自分のリソース(資源)とエネルギーを生かして社会的な自立の道を歩み始めた若者たちがサポステを巣立っています。 (上毛新聞 2008年6月7日掲載) |