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◎地域との連携進めよう 今日も、部活動に取り組む子供たちの元気な声が響いている。部活動は、今も中学生の生活の重要な部分を占めている。 今、中学校の部活動は、少子化問題に直面している。部員確保が難しくなり、多くの部が廃止された。教職員数も削減され、指導者の不足も生じている。人口増のころは、新しい部が次々新設され、新入生たちは初めての体験に心躍らせたものだ。生涯かかわり続ける大切な出会いをした者もいる。しかし、いま部の新設は難しく、復活もまれだ。特に中体連競技以外の部の新設は不可能に近い。私がかかわる空手道も、多くの学校で設置が認められていない。子供たちは少ない選択肢から、部を選ばざるを得ない。 ここでは、運動部活性化のため、地域との連携推進と制度整備の提言をしたい。 地域との連携では、学校と地域の情報の共有や協力体制は必ずしも進んでいないのが現状だ。さまざまなスポーツの経験と技術を持った地域人材を生かし、部活動の一定部分を委ねられれば、多様化するニーズに対応できるはずだ。小規模校では合同チームをつくることも容易になるし、小中一貫の活動もできるかもしれない。国が進める総合型地域スポーツクラブの充実にもつながるだろう。まずは、ニーズのある競技に門戸を開いて、連携の可能性を検証してはどうだろうか。地域人材の育成や発掘も進むはずだ。学校ですべてを抱え続けるか、地域との連携をさらに深めるか、方向性を示すべき時に来ていると考える。 次に、制度整備についてだが、現在の部活動は、教職員の指導監督、引率が必要だ。学校の教育活動なので、責任の明確化の面からも当然である。しかし、これが活動の可能性を狭めていることも事実だ。そこで、外部コーチ制度をさらに進め、地域指導者が指導監督、引率できる制度にできないか。公認スポーツ指導者など、一定要件を満たす人材を、教職員と同等に扱うのである。その際、指導者には、勝利至上主義に走ることなく、生徒の成長を支援するための見識と人間性が求められることは言うまでもない。実現には法的な整備も必要で、荒唐無稽(むけい)な提案かもしれないが、文部科学省や教育委員会が、本気で整備を進めれば可能性はあるはずだ。実現すれば、指導者不足の問題は解決する。 太田市では、子供たちの希望と地域指導者の熱意、教職員の理解、そして学校長の英断により、複数の学校に空手道部が新設された。仲間と一緒に汗を流し、苦しみ、喜び、認め合って成長していく場が与えられたのである。空手道に限らず、子供たちがやりたい部活動を思い切りやれる、そんな環境を整えてやりたいと願っている。 (上毛新聞 2008年6月2日掲載) |