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◎超高齢化社会に整備を すっかり春めき、風が季節の光を運んでくれます。そんな春の光に誘われて、利根川沿いのサイクリングロードに出てみました。以前から四季折々の癒やしをもたらしてくれる利根川右岸のこのコースを、ウオーキングやジョギング、サイクリングで愛用している一人です。 ところがそんな折、後ろからの自転車の追い抜きにびっくりさせられることがあります。安全だと信じきって瞑想(めいそう)に耽(ふけ)っている時や、友とのおしゃべりに熱中したり路傍の花を愛(め)でたりしている時には、後ろまで注意が行き届かないのです。誰しも不意をつかれたらびっくりします。そこで優しくベルを「チリリーン!」と鳴らして「通過しますよ!」と声をかけてほしいのです。そんな優しい気配りがあるとうれしいのです。 大規模自転車道の利根川自転車道線は、渋川―玉村線とも呼ばれていますが、前橋市上新田町の雷電神社付近と利根橋の下流の一部にまだ未開通の部分があり、残念に思っています。でも今月十四日には大渡橋の上流の部分、総社町を通過する数百メートルの個所が開通しました。渋川や北毛方面へのアプローチの広がりを思うと、遠出のサイクリングが楽しみになります。 本県は自転車王国とも言っていいと私は思うのですが、そうであれば今こそ健康づくりに、また安心できる生活道路の建設に目を向けてほしいと思います。 それには、どこの自治体にも必ずあると思われる、河川沿いの道路づくりが考えられます。河川愛護と健康づくりのドッキングした、いわば<健康ロード>です。 ウレタンやウッドチップ入りの足に優しいウオーキング道路は夢かもしれませんが、一キロおきに距離表示をし、防犯のための街路灯を備え、休憩所にトイレやベンチ等を設置することは可能ではないでしょうか。 また、どこの町にもある公園の外周りや遊歩道にも、簡単な距離表示を設置してみたらどうでしょう。そうすれば、いつでもだれでも自然とウオーキングやジョギングに、と足が向いてしまうものです。 迫りくる超高齢化社会に対処するためにも、それぞれの人の病院通いや薬にお金を費やすことなく、健康な体で活動できるよう、施設や条件づくりに税金を回してほしいものです。 近い将来には五人に一人が高齢者、四百数十万人が要介護者、さらには百万人が寝たきりとその予備軍になるとも聞いております。加齢による筋肉の減少量は年に1%にもなるということです。転倒、骨折、寝たきりのパターンに陥らないための体づくりには、日常的な運動が不可欠です。 おいしい水ときれいな空気の群馬で、二酸化炭素(CO2)を出さない<ウオーク・ジョグ・サイクリング>を通して健康づくりを考えてみたいものです。 (上毛新聞 2008年3月27日掲載) |