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◎途上国の女性を支える 私が群馬婦友会の存在を知ったのは、県が募集した婦人国外研修に応募した時である。 県は女性施策の一環として、「国際婦人の十年」の中間年にあたる一九八○年、国際的視野を持つ女性リーダーの養成を目指して、中国訪問の研修生を募集した。第一回は五十人を派遣、人気が高く二回目は百人。各回の人数は減ったが、今日まで二十八年間に二十六回(天安門事件とSARS=重症急性呼吸器症候群=で二回休み)、七百人余りの研修生を中国に派遣している。そして、その返礼として、中国女性代表団を招待してきた。 さて、群馬婦友会であるが、第一回研修生が研修終了後、このまま散ってしまうのはもったいないと立ち上げたものである。毎年、研修終了生が婦友会に入会して、活動が行われてきた。 県がお招きする中国女性代表団の民泊(ホームステイ)と交流会、送別レセプションを婦友会が受け持ち、中国の女性たちと交流を深めてきた。民泊では会員手作りの料理を持ち寄り、アットホームにおもてなしすることで、それこそ民間の草の根外交を培ってきたのである。 そうしたお付き合いの中から「中日婦女友好果園」が生まれた。九一年、中国女性代表団が来県の折、沼田のリンゴ園にお招きしたところ、中国のリンゴは小さくてこんな大きなリンゴはないと、とても喜ばれたことがきっかけで、二年後、北京の郊外・真順村(しんじゅんむら)にリンゴ園をつくることができた。中華全国婦女連合会(中国婦女連)が十町歩の土地を、群馬婦友会がリンゴの苗木七千本を提供して九三年春、友好果園で調印式が行われた。十五年たった今では大きなリンゴがたわわに実り、その辺りがフルーツ街道になっているという。 二○○三年春、日中平和友好条約締結二十五周年記念の女性の集いが東京であり、その席上、「ユニフェム(国連女性開発基金、UNIFEM)ってご存じですか」と声を掛けられた。それがきっかけで、その秋、当時のユニフェム国内委員会の理事長だった安陪陽子氏に講演していただいた。 ユニフェムは国連が創設した開発途上国の女性の自立を支援する会であること、一人の女性を助けることが四人の子供を救うといわれていること、広く百円募金をお願いしていることなどを知った。 世界に目をひらくという私たちの活動の趣旨にも沿っているので、会活動の一環として○四年、群馬婦友会はユニフェム国内委員会の正会員となった。 これを記念して、○五年春、ユニフェムバザーを会員相互の親睦(しんぼく)も兼ねて開催、その売上金の一部を寄付した。また、県内四支部は各支部の総会時に百円募金もしている。 すでに県単位でユニフェム活動をしているケースもあり、このユニフェム活動が私たちの会にとどまらず、広く県民に広がり、「ユニフェム群馬」というような県下の組織に育つことを願っている。 群馬婦友会の活動にかかわってきた者として、さらに女性の輪を広げていきたい。 (上毛新聞 2008年2月11日掲載) |