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◎“地域固有”が面白い 今年ももうすぐ県庁カウントダウンイベントの季節がやってきます。若者らと行政が共催し、大晦日(おおみそか)に県庁でストリートダンスバトルなどを行う、文化度の高いイベントで、一九九九年から始まり、今回で九回目を迎えます。その中で僕は三十二階の展望ホールにて「Fashion in Gunma」をテーマにファッションショーなどをプロデュースしています。なぜ群馬でファッションなのか? それは、若者がもっとも興味のある分野のひとつだからです。 自分のパリ生活を通して感じたことは、歴史、文化、地域性からくる日本とヨーロッパのファッションの受け取り方の違いでした。ヨーロッパのファッションは地域に密着していて、地域の人の誇り、こだわり、伝統を基調にブランドを形成しています。コンセプトへのアプローチも賛否あれども面白いし、しかもデザインセンスも良い。そんなクオリティーに裏打ちされた信頼が、ルイ・ヴィトンのように世界中に認められるブランドになっています。 それに対して、日本は流行をはき違えているのではないかと感じます。雑誌に載っているものや、人から与えられるものはインスピレーションではありません。本来、それは社会の現象から生まれてくるものを自分で感じとるものであり、それを思い思いに表現するのがファッションであると思います。 現在、グローバル化が進んでいますが、すべてを他の地域に頼らなくてもファッションはつくれるはずで、地域固有のものを生み出していっても面白いのではないかと思うのです。そんなふうに考えて地域に目を向けたとき、若者と地域の接点があまりにも少ないことに気づきます。 若者たちが興味あるものはファッションやライフスタイルという横文字であり、大人が考えるのは政治や地域という言葉で、同じ言語を話しているとは思えないほどです。そんな若者たちが地域に対して何から参画できるのかを考えて入り口をつくらなければ、なかなか次世代まで巻き込めません。 そこでCP―JAPONという団体を立ち上げ、ファッションショーやフランス生まれの映像のイベント「世界のCMフェスティバル in GUNMA」などをプロデュースしたり、現在も県内のファッション関係者や文化団体と企画を進めています。ファッショングループ、FASのプロデューサーである内山浩幸さんや、「場所・群馬」代表の白川昌生さんなど群馬を表現している人たちと協働して、刺激し合いながら群馬ならではのセンスや文化を創造し、内外に発信する。そうすることで地域同士の交流が生まれやすくなり、より面白いものになります。 今回で県庁でのカウントダウンイベントはいったん幕を閉じますが、やりたいことは他の人が決めることではありません。自分で決め、表現することがかっこいいのです。なので、来年からは独自に前橋中心商店街や弁天通り界隈(かいわい)で行っていこうと思っています。そう、僕たちはどこでも表現できる。立ち上がれ、心の若者よ! 楽しもう、群馬ファッションリボリューション! (上毛新聞 2007年12月2日掲載) |