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◎敗因分析し北京目指せ 第十一回世界陸上競技選手権大阪大会が今月二日、九日間にわたる幕を閉じた。 今回の大会は、二百の国・地域から世界のトップアスリート千九百七十八人が大阪長居陸上競技場に集まり、過去最大規模となる大イベントとなった。競技種目は四十七(男子二十四・女子二十三)。今夏はまれにみる猛暑となり、大会期間中は選手や関係者のみならず日本中が熱く燃え、暑さと熱さが重なった大きな大会ともなった。 会場で観戦し、燃えに燃えた一人として、大会の感想を述べたい。競技で日本中をくぎ付けにしたのは、初日の男子マラソンと最終日の女子マラソン大会で、日本選手は男女それぞれ五人の選手が出場。男子は尾方剛(五位)、大崎悟史(六位)、諏訪利成(七位)と三人が入賞した。女子は、土佐礼子が開催国で唯一の銅メダルを獲得、北京五輪出場内定となった。嶋原清子も六位入賞した。 男女のマラソンは、暑さの中で粘りに粘り、世界を相手に対等、それ以上の戦いを見せ、男女入賞五という素晴らしい成績を挙げた。来年の北京五輪も同様な気象条件の下での開催となる。五輪でも大いに期待の持てる種目になった。 大会全体を振り返ると、マラソン以外の入賞は、男子ハンマー投げ(六位)と男子四百メートルリレー(五位)の二つのみ。トラックとフィールド種目でメダルなしの大会となった。開催国がメダル五個を掲げた目標からすると、実に寂しい大会となった。 日本の期待された中心選手が開催国というプレッシャーなのか、猛暑によるものなのか、けいれんなど故障を起こす選手が続出し、女子マラソンを除くとメダルなしの惨敗に終わった。日本陸連の担当委員の分析や選手の反省などを今後の大会や北京五輪に生かしていただきたい。いずれにしても、「大会は練習のように、練習は大会のように」を基本にすえ、いかなる条件の下でも戦える準備と練習、さらに競技運営にも備えたいものだ。 世界に目を向けると、男女のリレー全種目の制覇を皮切りに、短距離を中心に圧倒的な力を発揮した米国は二十六個のメダルを獲得し、文字通り陸上王国の底力を見せつけた。ケニアは男女マラソンの優勝をはじめ、中長距離に爆発的な力を発揮し、十三のメダルを獲得した。日本でもケニアの練習方法を学び、スピードのある走りを取り入れたい。 県内関係の選手では、男子マラソンで諏訪利成選手が血マメにも負けず、アテネ五輪に続いて入賞を果たした。レース後のインタビューで「次は世界一になりたい」という力強いコメントを残した。女子一万メートルに出場した絹川愛選手は決勝で十四位となる大活躍。今大会出場中最年少で日本の若きホープとなった。県民こぞってこの二人に拍手を送り、これに続く国際的選手の出現を期待したい。 (上毛新聞 2007年9月13日掲載) |