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◎地域開発の可能性拡大 日本の高速道路は順次整備が進められ、これまで九千六十九キロ(二○○七年六月十五日現在)が開通しています。しかしながら、日本の高速道路は、米国やドイツなどに比べ、利用率が低いです。さまざまな要因が考えられますが、利用が進まない要因の一つに、「隣接するIC(インターチェンジ)間の距離が長い」ことが考えられます。IC間隔について、わが国が平均約十キロであるのに対し、欧米諸国では半分の約五キロです。また、高速道路が通る市町村のうち、約四割にICがなく、利用しにくい状況となっています。料金徴収にかかわる経費を抑えるため、料金徴収のための料金所ブースは一カ所に集約するのが一般的です。その結果、ICの規模が大きくなり、整備に広大な用地と多額の建設費が必要となることが多く、整備がなかなか難しいのが現状です。 既に開通している高速道路をもっと有効に利用していただくためにも、より使い勝手がよくなるような取り組みを進めなくてはならないとの認識のもと、今、高速道路の料金割引やスマートIC整備などの施策が全国で進められています。 その一つのスマートICについて紹介します。スマートICとは、ETC(自動料金収受システム)搭載の車両に限定したICのことで、簡易な料金所の設置で済むことから、従来のICに比べ低コストで導入できるメリットがあります。ETCの普及が進んだことから、その整備が可能になっています。現在、全国三十一カ所で本格運用され、二カ所で利用状況や運用上の課題などを把握するための社会実験が行われています。 群馬県内では、関越道の駒寄PAスマートICが○六年十月から本格運用しています。通勤などに多く利用され、全国のスマートICの中で最も利用が多く、現在は一日平均三千二百台、多い日で約四千台が出入りしています。 また、IC設置の影響は大きく、IC周辺には工業団地や物流基地、大型ショッピングセンターなど地域開発が進みます。駒寄PAスマートIC付近でも、大規模な日帰り入浴施設、大型スポーツ用品店などの商業施設などが相次いで開業するなど、スマートIC設置により地域活性化が進んでいます。 北関東道は、来年が太田まで、一一年度には全通すると聞いています。これにより、前橋や高崎などが中核国際港湾である常陸那珂港と現在の約半分の約二時間で結ばれることになり、企業活動の可能性の拡大が期待されます。昨年、工場立地件数が全国二位となるなど、関越道、上信越道が交差する交通の要衝として重要な役割を担うことが期待されます。 これらを期待し、伊勢崎と高崎において、スマートIC設置に向けて要望活動、検討が新たに進められています。高崎河川国道事務所としても、スマートICに実現に向け、協力していきたいと考えています。 (上毛新聞 2007年7月11日掲載) |