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◎森と環境を守るために 平成十七年、愛知県で行われた「愛・地球博」において「愛・地球賞」の栄誉に輝いたアマゾン群馬の森。これは四年、ブラジル・リオデジャネイロで開催された地球サミットを契機に東部アマゾンに移住した在北伯群馬県人会が、今日の日系社会をはぐくんでくれたアマゾンの大自然に恩返しをと考え、原生林保全活動に乗り出したものである。 幸い、県当局、県議会をはじめ児童生徒ら幅広い県民の理解と協力が得られ、善意の募金三千万円によって八年、パラ州都ベレン市郊外六十キロの地点に原生林五百四十ヘクタールを購入して「群馬の森」を誕生させた。 十五年四月、県特別政策本部内に東部アマゾン森林保全・環境教育プロジェクトを設置。若い職員によって構築されたプログラムは高く評価され、同年十一月二十日、パラ州政庁で、群馬県、JICA(国際協力機構)、パラ州政府の三者による協定が締結され、翌年一月、同プロジェクトはスタートした。 その中心であった三人の職員は、それぞれ三年、二年、一年の期間でJICAから派遣され、(1)パラ州における自然環境教育活動の促進(2)植林およびアグロフォレストリー(森林と共生する農業)の技術開発と普及(3)情報発信、広報活動の強化−などに心血を注いだ。その成果は、内外関係者から賞賛されている。 目的を十分達成したとはいえ、この事業は幅広い県民の理解と協力を得ながら継続することが肝要である。 NPO法人森の会は十年八月、北伯群馬県人会館・群馬の森ビジターセンター竣工式と植樹祭以来、人間の営みと自然との永遠なる共生をめざし「苗を植えて世界を変えよう」を合言葉に「日伯友好植樹祭」に毎年度植樹団を派遣しており、延べ百十一人が参加している。これに「こども緑の大使」四十三人を加えると百五十四人の県民が森を訪問している。 こども緑の大使は、小学六年生を対象に夏休みを利用して派遣している。 時差十二時間、日本と正反対に位置するアマゾンは住む人も、話す言葉も、習慣や風土もまったく異なる自然の豊かなところである。 未知の国にはるばる移り住み、幾多の苦難を乗り越えてきた移住民の生活や心情にふれ、さらには、現地での友好交流を通して受けた新鮮な驚きや感動、深い感銘は、終生忘れ得ぬものに違いない。 とくにこども緑の大使は、両親きょうだいの元を離れての体験。たとえ短期間であってもアマゾンの大自然にふれ、異文化交流を通して身につけた広い視野と国際感覚は大きな自信となり、その将来は頼もしい限りで、次世代を担う人材を育てることからも大いに役立っている。 私は現在、アマゾン群馬の森利活用委員会幹事長を務めている。植樹団、こども緑の大使ともに募集中。問い合わせは、前橋市元総社町七三―五、NPO法人森の会(電話027・255・3450)まで。 (上毛新聞 2007年5月1日掲載) |