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NPO法人DNA代表アドバイザー 渡辺 大輔(富岡市妙義町)

【略歴】 高崎経済大卒、同大大学院地域政策研究科修了。DNAの中心メンバーとして若者の就業支援やキャリア支援、地域活性化にかかわる事業に取り組んでいる。

ジョブカフェ

◎地域の支えが一層必要

 先日、高崎club FLEEZで、ジョブカフェぐんまのイベントを開催した。ライブハウスで、世代を超えたライブとトークをプロデュースし、「働くこと」を考えるきっかけになればと、普段とはひと味異なったジョブカフェぐんまを演出した。

 「働くこと」を、一人でまじめに考え過ぎることはないと思っている。確かに「働く」ことは、容易なことではなく、毎日が真剣勝負でもある。一家の大黒柱ともなればなおさらだ。しかし、もっと肩の荷を下ろして、気軽に「働くこと」について考え、仲間と語り合い、実際に動いてみることが、重要ではないだろうか。大人が考えている以上に、実はいろいろ真剣に考えていて、いや、真剣に考え過ぎていて、実際に動き出せない若者が増えている。景気が良くなったといっても実感が少なく、いまだ若者の心の中には、「働くこと」への「曖昧(あいまい)な不安」が巣くっているのだ。ジョブカフェぐんまは、そういった若者の「働くこと」を応援しようと、二○○四年七月のオープン以来、延べ約五万九千三百人の若者が来所し、四千人の就職決定に貢献してきた。

 ジョブカフェぐんまについて振り返ってみたい。そもそもジョブカフェぐんまは、「若者自立・挑戦プラン」の中の「地域との連携・協力による若年者就職支援対策」。地域において、民間を活用して若者にきめ細かく雇用関連サービスを一貫して提供する「若者のためのワンストップサービスセンター(通称ジョブカフェ)」事業の一環として行われている。

 「ジョブカフェ」事業の概要は、地域の実情にあった、若者の能力向上および就業促進を図るため、若年者が雇用関連サービスを一カ所でまとめて受けられるワンストップサービスセンターを都道府県が設置し、各省は連携して支援する。厚生労働省は「若年者地域連携事業」を全国に予算配分し、経済産業省は、全国十五都道府県(現在、二十モデル地域)を「地域産業活性化人材育成事業」のモデル地域に選定し、民間を積極的に活用してカウンセリングから研修までの一貫したサービスをきめ細かく提供する事業を委託するというものである。

 群馬県は、(1)NPO運営で「若年者による若年者のためのジョブカフェ」を展開、(2)民間企業と若者NPO法人が連携し、若年者の立場に立ったきめ細かな相談と就職・定着までの支援、(3)高崎、桐生、沼田にサテライトセンターを配置し、それぞれ若者NPOが運営にあたる―という三点を特色として、「地域産業活性化人材育成事業」に申請し、全国十五モデル地域の一つとして選定を受けた。○六年度で経産省モデル地域の期間が終了したため、ジョブカフェぐんまは自立という四年目の節目に立っている。今後の地域の支えが、より一層必要なのである。






(上毛新聞 2007年4月4日掲載)