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◎小さな一歩を踏み出す 新町サポーターは主に子供の安全を守る活動をしてますが、私は地域をつくっていくことこそが本当の目標だと思っています。 五年ほど前、旧新町の一つの学校区の小学校で不審者がたびたび出没し、先生方が毎日下校に付き添う日が続きました。この先生方のご苦労をみていた保護者が立ち上がり、学校協力員が生まれました。新町に強盗事件が起きたとき、わずか三十分の間に七十―八十人の協力員が学校に駆けつけました。 この活動を地域全体の学校を守る活動に広げたいと学校協力員の母体をつくったメンバーが中心となって「できる時に、できる方が、できることを!」のスローガンのもと、ボランティア活動をしている方々を中心にメンバーを募りました。多くの方々が快く賛同してくれました。 平成十七年夏でした。不審者が出たときは、携帯メールと電話による緊急連絡、三つの小中学校の挨拶(あいさつ)運動への参加などの活動を通じ、メンバーは四百六十七人に膨れ上がりました。手作りの腕章をつけて、子供やサポーターのメンバーと顔を合わせることはたくさんの元気をもらえます。私は緊急連絡の「電話」を担当していますが、電話口の向こうから「わかりました! すぐパトロールにでます」とか「がんばるよ」とか、力強い言葉が返ってきます。頼もしくかけがえのない仲間です。 活動をしていくうちにサポーターの中から「いつ、どこへ、いつごろパトロールに出たらよいか」と質問が出ました。それがきっかけとなり、ひと目でわかる交通安全と不審者対策をかねた新町全体の安全マップを作りたいという意見が出て、マップ作りへの取り組みが始まりました。そのころ、ちょうど安全マップ作りの講習会の案内を頂き、もう一人のサポーターと参加いたしました。立正大学の小宮信夫教授の展開する「犯罪機会論」を根底にフィールドワークも含めての講習は目からうろこでした。われわれサポーターの指針となるもので、大いに勇気づけられました。取り組みのなかで、地域グループごとの調査、学校PTAの調査、個人の調査、なかには区長さんを交えての綿密な調査をされたグループもありました。 昨年末には小学生の一斉下校に付き添って、フィールドワークを行いました。サポーターばかりでなく、防犯委員さん、区長さんも多数出ていただきました。地域のことを一番わかっておられる区長さんと一緒に活動できたことは心強く、特に新町への通学区域であります立石新田の区長さんにも協力いただけたことは、ありがたいことでした。 私たちサポーターの安心安全マップが完成したのと時を同じくして、新町の第一小学校で小宮信夫教授による安全マップ作りのモデル授業が本年度行われるというニュースを聞きました。きっかけは若い保護者たちの一歩からでした。私も小さな一歩を踏み出すことで、地域の温かさを知りました。わが町を歩くことが町づくりの一歩につながることと、自分自身に言い聞かせております。 (上毛新聞 2007年4月1日掲載) |