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◎まず大人が率先して 湖面を割るかのように向こう岸へ走る中橋、湖畔を覆うヨシの群れ、水面には丸くなった数羽の水鳥たち、その背景には、はるか遠く山の稜線(りょうせん)からそっと覗(のぞ)く朝日はなかなか素晴らしく、また、美しいものである。アマチュアカメラマンの姿も見受けられる。 釣り竿(ざお)を出す前に時々堤防の上から湖を眺めて見ると、こんな世界に遭遇することができるのである。 しかしながら、一歩堤防を下りて釣り場に向かうと、その途中にはもうジュース類などの空き缶のポイ捨てゴミが目に入ってきて何とも気分の悪いものである。 今年に入ってからも、霞ケ浦、北浦、渡良瀬遊水地の谷中湖と足を運んだが、どこに行っても釣り場に着いて足元から付近を見渡すと、相変わらずコーヒー、ビール、お茶などの空き缶やドリンクの小瓶などが所かまわずポイ捨てされていて本当に困ったものである。 これらのゴミは粗大ゴミみたいに遠くからは目立たないが、現場に来てみるとあちこちで目に入るのである。 こういったポイ捨てに関しては、やはりどこの河川においても同様で、最近特に頻繁に見られるのが、コンビニエンスストアなどのビニール袋で中身は弁当の食べた後の残がい物、袋の口元を結んでそのまま無造作に捨てられている現状。とにかくビニール袋類はひどい。当然のことながら、川の中にもビニール袋が流れているので、私たちの釣りの仕掛けに引っ掛かってしまい、そのまま釣り上げるなんてことはしばしば見られる光景だ。 また、河原を散歩している人たちの中でも飲み干した空き缶をそのままポイ捨てする人がいる。私も幾度か目にした時は注意をしたことがあったが、悪びれた様子はまったく感じられない。 むろん、釣り場においても心ない釣り人たちによるポイ捨てもまだまだ後を絶たない。切れた釣り糸、釣り用品の空き袋、ジュース類の空き缶、空き瓶。当然、私たちの釣り仲間では現場でのこれらのゴミは片付けるのが当たり前になっており「釣り場を汚さない、自分のゴミは自分で持ち帰る」をモットーとして釣りを楽しんでいる。 また、河川敷においてもやはりポイ捨てゴミは見られる。駐車場のあたりは特にひどい状態で、花火禁止、ポイ捨て禁止の看板があるにもかかわらず、後片付けをしないで散らかしっ放し。唯一、河川敷内でも、スポーツ活動に利用されている運動広場などは、利用者の方々の掃除が行き届いていると見受けられるし、各地区では定期的に河川のクリーン作戦も実施されている。私の地元の沼では、小中学生が先生と一緒に清掃活動を行っているので、こうした行為には大変感心している。 このポイ捨て、まず捨てないことが当たり前ということに各人が気付かなければならないと思う。この常識的感覚を大人の私たち自身にあらためて浸透させなければと思うのだが。 (上毛新聞 2007年3月21日掲載) |