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◎深夜にパトロールを 場所は利根川。師走だというのに、晩秋の名残が漂う陽気だった。上武大橋の約一・五キロぐらい下流の左岸側で釣り竿(ざお)を出して、ひと休みしていたら、近くで車が止まった音が聞こえた。誰が来たのかなあと思い、アシをのけながら車の見える所まで出て見たら、百メートルくらい先の所で、男女二人が車から何やら箱みたいな物を降ろしていた。何をしているのだろうと思い、近づこうとしたら、私の姿が見えたのか、二人は急いで車に乗った。もしや、不法投棄ではないかと思い、車のナンバーだけでも確認しようと、すぐ追い掛けたが、猛スピードでその場を走り去られてしまった。 案の定、捨てられていた物はテレビと炊飯器と、段ボール一箱だった。日中、一瞬の出来事だった。 一方、渡良瀬川では、私の釣り仲間が二人で夜釣りをしていたとき、まだ宵の口の八時四十分ごろに小型ダンプが河原に入って来た。雑草木の茂っている場所に車を止め、荷台を操作しようとしていたので、慌てて近づいて見ると、少し動いていた荷台をすぐ戻して、きまりが悪そうにそのまま帰ったそうだ。 荷台には建築廃材等が載っていたとのことだが、これは不法投棄を未然に防ぐことができたのでよかった。 これらは、ほんの一例にすぎないが、一部の人の不徳義によって、いつになっても後を絶たない不法投棄には、まったく困ったものである。 こういった粗大ごみの中には家電製品をはじめ、建築廃材、そう数週間前のことだが、屋根の上で利用していたと思われるソーラーシステム機器が草むらの中に投棄されていた。かなり大きな物で、とても個人で捨てたとは考えられなかった。 ほかに大きな物では車の乗り捨て。私も見つけたとき、役所に通報したことがあるが、片付けるまでには時間も、撤去費用もかかる。それから、あちこちに目立つのが自転車とオートバイ。特に、自転車は川の中に棄てられていることがよくある。 自治体によっては、かなり積極的にパトロールをしているところもあるようだが、深夜等に投棄される不法行為がほとんどなので、その現場に遭遇することがなかなかできない。 すべてとは言わないが、粗大ごみが不法投棄される場所は、ある程度限られているようだ。 車の乗り捨てでも、家電製品でも、撤去された後、しばらくすると、また同じ場所に投棄されている例がよくある。 時期的な面からいえば、年末とか、年度末に特に多いように見受けられる。以上のようなことをかんがみて、不法投棄現場を把握し、抜き打ちで深夜等も集中的にパトロールすることが必要ではないか。少しでも抑止につながればと思うのだが…。 (上毛新聞 2007年1月15日掲載) |