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◎住基カードの活用 最近、金融機関に口座を開設するときや、携帯電話を契約するときなど、いろいろな場面で、本人確認のために証明書の提示を求められることが多くなっています。これは、他人になりすまして手続きが行われないように、本人確認を厳格に行うようになったためです。犯罪などに備え、なりすましによる悪用を防止しようとするものです。 来年一月からは、マネー・ロンダリング対策やテロ資金対策を強化するために、金融機関で十万円を超える現金による振り込みを行う場合も、新たに本人確認が必要になりますが、ご存じでしたか。 こういった本人確認のために提示を求められる証明書としては、運転免許証、パスポート、健康保険証、そして、住基(住民基本台帳)カードが代表的なものです。これらによって、氏名、住所、生年月日などを確認することになりますが、最近では、顔写真付きのものが、原則求められることも多くなっていると思います。皆さんは、本人確認の際にどんな証明書を利用していますか。 ここで、これらの証明書を比較すると、まず、運転免許証は、写真も付いており、所持している人も約八千万人と多く、一番利用されているかもしれません。ただし、本籍まで記載されている一方で、性別は記載されていません。また、高齢になられて危ないからと返納される方も増えていますし、運転免許を取らなければもちろん所持できません。 また、パスポートも写真が付いており、所持している人も約三千五百万人ですが、住所は裏表紙をめくった所持人記入欄に、自分で記入することになっています。 次に、健康保険証は全世帯にあると思いますが、写真は付いていません。最近、カード化が進んでいますが、カードタイプのものは裏面に住所を自分で記入するようです。 最後に、住基カードですが、住民票のある市町村で、希望すればどなたでも取得できます。市町村の窓口で発行するときに写真付きの有無を選べますが、写真付きのものは氏名、生年月日、性別、住所が記載されています。平成十五年八月から発行がスタートしたので、所持している人は、まだ約百万人です。 ところで、本人確認の基本要素は、氏名、生年月日、性別、住所の四情報です。これらの四情報が発行者の責任で正確に記載され、それ以外の不要な情報が記載されていない写真付きの住基カードが、本人確認のためには最適だと思います。 さらに、住基カードは、この公的な証明書としての利用のほか、電子申請に必要な公的個人認証サービスの電子証明書を格納したり、市町村の条例で定める独自サービスに利用できます。印鑑登録証機能、自動交付機での各種証明書交付サービス、図書館カード機能などの多目的利用を行い、住民から便利だと喜ばれている市町村が多くなっています。 住民であれば誰でも取得でき、本人確認の決め手となり、かつ、多機能で便利な住基カードをぜひ活用してみてください。 (上毛新聞 2006年11月2日掲載) |