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◎高めてほしい回遊性 今月二日から、前橋市役所、るなぱあく(同市中央児童遊園)、テルサ前の三点を結ぶ無料巡回バスが走り始めています。これは、指定管理者として「るなぱあく」を運営している波は宜ぎ亭てい倶く楽ら部ぶの企画案が、内閣官房全国都市再生本部の「都市再生モデル調査」事業の一つとして選定された結果、同倶楽部が委託を受けて実施しているものです。 バスの運行は、土・日曜日、祝日のみですが、昼食時以外は、ほぼ十五分間隔で運行しており、どなたでも無料で利用できます。ただし、中心街、市役所、県庁などの駐車場代金は通常の料金が必要となります。例外として、土・日曜日、祝日に、市役所駐車場を使い、るなぱあくで利用券ご購入の方は、るなぱあくにて、駐車料金無料の清算をします。雨天時にはバスは運休です。 バス運行の目的は、るなぱあくと中心街との連携、まちなかにおける回遊性の創出です。るなぱあくと中心街とは歩いても十分ほどの近い距離にあります。るなぱあくは年間延べ利用人数が百二十万人あり、土・日曜日には数千人のお客さまが来園されます。また、日ごろは閑散としている中心街ですが、祭り、イベント、セールがあれば大勢の人でにぎわいます。広義では、るなぱあくもまちなかの一部であり、るなぱあくも中心街も前橋市民のアイデンティティーの一つです。ともに市民にとってはなじみの深い場所です。 そう考えると、これまでに二つの間に何の結びつきもなかったことが不思議なくらいです。その意味において、今回の無料巡回バスは二つの場所を近づける契機になると考えています。一方へのお客さまがもう一方に立ち寄っていただけるようになれば、双方にとって大きなメリットになります。そのためには、おのおのがこれまで以上に魅力を高める努力が必要でしょう。魅力がなければ人は集まりません。回遊できる魅力と仕組みがあれば、人は自然と回遊するものです。 一カ所の魅力は一カ所で終わりますが、連携した二カ所の魅力は二つを超えた吸引力を持ちます。そして、私はこの二つに県庁が加わり、さらに回遊性が高まってほしいと考えています。県庁舎そのものが前橋の名所の一つであり、県庁では土・日曜日に頻繁にイベント等が開催されています。県庁、前橋公園、親水公園、るなぱあく、広瀬川、中心街―。これらを回遊するだけで、丸一日過ごせます。子供も、若い人も、老人もすべての年齢層が楽しめる要素が詰まっています。 無料巡回バスは来年一月までで終了です。どのように利用されるのかは不明ですが、もし、利便性が高いことが判明した場合には、市や県がまちなか再生事業の一環として、巡回バスの運行を継続していただけることを期待します。 (上毛新聞 2006年9月17日掲載) |