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◎社会に尽くす姿は尊い 中高年のサークル活動やボランティア活動、社会施設を使っての社会活動は、大変盛んである。年を取っても、持っている資質をさらに磨き、新しいものに挑戦して充実した人生を送るようにしているのは、立派である。 人口動態調査が行われ、高齢化が進むことについて「高齢社会の到来」と困ったように言われることがあるが、どうしてどうして、最近の中高年は活力がみなぎっている。とくに女性は素晴らしい。 時と場合によるが、いろいろな会場に集まる中高年女性の数は極めて多い。男性はちらほら、一割にも満たないことすらある。女性パワー全開である。 概して、この年代の男性は職場生活が長く、会社人間であった人が多い。家には寝るために帰るといったような生活であったため、隣近所や地域社会との関係はあまり密接ではなかった。 いざ退職すると、何もすることがなくて困っている人がいる。奥さんは外に出て積極的に活動しているのに、自分は家でテレビでも見て留守番をしているのである。 こういう人は、自分の世界に閉じこもり、積極的に地域に出て社会活動をしようとはしない。たとえ出たとしてもしばらくは身構えていて、人の話の輪に入って、新しい交流の場をつくり上げようとする人は多くない。 これまでの職業生活で得た地位とプライドが、一人の人間として、新しい社会生活を切り開いていくことを妨げているのかもしれない。 それに対して女性は、新しい環境にすぐ飛び込むことができるようである。活力があり積極的で、だれとでも話の花を咲かす。従って、サークル活動や社会活動に参加して生き生きと生活しているのである。 これは、この年代の女性がたどってきた嫁入り婚の影響が、残っているためであろうか。 それとも、妊娠・出産のためのエネルギーは、必ず保持しておくという天から授かった資質が余力となって残り、社会活動に花開いているのであろうか。 女性の中には、これまで忙しくてできなかったものに挑戦するとか、人々との交流の中で新しい生き方を発見し、人生を取り戻しているような人がいる。 資質を高め、ボランティアなどで社会のために尽くそうとする女性の姿は尊い。 女性の活躍がめざましくなったのも、一つには平均寿命が延び、長寿化した結果である。「人生五十年」の時代であったらできなかったことが、今はできるようになったのである。 ことに、女性の平均寿命は高く、これは今後、極めて有意義に働くであろう。 一方、男女共同参画社会が進展する中で、国や自治体の議員や各種審議会での女性委員が少ないという問題があるのも事実である。 しかし、現状を見ると女性の力は限りなく伸びている。楽観視しているわけではないが、女性の時代は確実に近づいているのである。 (上毛新聞 2006年9月6日掲載) |