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◎受け入れの体験が必要 首都圏からの観光モニターさんらと同行する機会を得て、ワークショップ形式で二日間、榛名町内を案内しました。 モニターさんは、大学院生から六十すぎの女性まで、さまざまでした。 オリエンテーションの後、まちなか探訪・交流会・宿泊・まちなか探訪・検討会という日程の中、楽しく進行しました。 おのおのが感じたことを、自由に発言していただきました。 「観光地なのに、湖の周りの道の雪かきもしていないの」「湖の周囲をゆっくり散策できる道はありますか」「自分たちの車で来たら、何がどこにあるのか分からない」「氷の滝はきれいだけど、目の前の電線がじゃま」「国の重要文化財になったのは、どの建物」「珍しい道祖神ですね。でも、鉄のおりの中ではかわいそう」 榛名町のウメは東日本一の生産量を誇っていますが、「ウメといえば紀州でしょう。東日本なら小田原か水戸ですね」という認識でした。小田原には榛名のウメを出荷しているのに…残念。 また、国道406号沿いは、別名「くだもの街道」と呼ばれ、時期には百軒以上の直売場が軒を連ねますが、プラム、モモ、ナシなど、榛名の果物への認知はゼロでした。 「特産品のお土産は、どこで買えるの」と言われ、答えに困りましたが、貴重なヒントをいただいた、と思っています。 私たちが旅行をするとき、行き先への期待は景観や歴史、風呂や食事、特産品やお土産などですが、近年、○○へ行ってイチゴ狩りとか、スノーボード、ダイビング、イベント参加という、より能動的な体験への比重が増してきています。 はるなグリーンツーリズム研究会では、セミナーワークショップを行って受け入れ体制を進めていますが、何をしたらよいか分からない、という意見も少なくありませんでした。 地域全体を見ると、手直しの必要な景観やPR不足、特産品や商品開発をしなければならない土産など、課題はたくさんあります。そして、体験は里山地域の文化として、昔から生活の中で行われていた活動をプログラムとして提供すると、受け入れやすいと思います。 グリーンツーリズムを長期休暇の少ない日本型に、そして地域に都合よくアレンジすると「週末の里山での体験旅行」となり、それならば研究会のメンバー全員が受け入れに必要な資質を持っています。 まず、できることから始めてみましょう。一部の失敗があっても、次に修正すればよいことです。今は受け入れるという、私たちの体験が必要な時期なのです。 (上毛新聞 2006年5月11日掲載) |