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◎意識改革で地域に貢献 昨今の行政改革は、各業界の意識改革を待つことなく、ハイスピードで進んでいるような気がする。終身雇用とか、年功序列に慣れ親しんできた行政指導の下で改革をしようと言っていた業界にとっても、準備に若干の甘えがあったためか、そのスピードについていけないように見えるのは、私だけではないだろう。 平成十四年の「ぐんせつ学会」パネルディスカッション(県接骨師会主催)において、パネリストとして「私たちの今・そして今後」と題して、いくつかの提案と個人で始めた介護事業(ケア道場いせさき)について、話をさせていただいた。同学会としてはパネルディスカッションという形式が初めてだったためか、質疑や意見交換もなく、時間だけが過ぎてしまったが、それも試行(改革)の一つと考えれば有意義だった。 今後、業界で何ができるのか、また新規事業への参入、業務範囲の拡大、そして時の流れについていくことの大切さなど、接骨師会の発展につながればと発表したつもりだが、まだまだ先のことと思われたようで、残念な面もあった。 行政改革は、その後も聖域なき改革が進み、介護保険法の改正により、昨年十月から介護施設の食費・居住費が利用者負担(保険対象外)となり、国民皆保険についても見直しが始まった。 来月からは、制度の見直しによる介護予防サービスがスタートする。高齢化に伴う介護給付費の伸びを抑えるのが目的で、現在は介護保険の対象ではないが、要介護のリスクが高い高齢者向けに「地域支援事業」を創設。新しい予防サービスとして、筋力トレーニングや転倒予防、口腔(こうくう)ケア、栄養改善指導などを行い、介護を受けなくても済むよう改善していく。 基本となる体力づくり、リハビリ(機能訓練)など訓練メニューに沿う事業協力では、私たちも介護保険制度がスタートした時から機能訓練指導員として参加している。今後、地域支援事業の中に組み込んでいただき、介護予防を目的とした「柔道整復師が行う機能訓練指導」がマンパワーとして認められ、地域の皆さんに今まで以上に貢献することが私たちの使命と思う。 ハイスピードで進む少子高齢化社会について、聖域なき意識改革を行っていくことは、今や国民の義務となっている。われわれ柔道整復師の業界としても、意識改革を加速し、諸問題に対して意思統一を図りながら迅速かつ機敏な対応で臨んでいきたい。また、一層の地位向上と職域の多様化を図っていきたい、と考えている。 われわれの業界だけでなく、医療・介護にかかわる各種業界においても意識改革の大切さを肝に銘じ、互いに助け合って明るい今後を築いていきたいと思う。 (上毛新聞 2006年3月18日掲載) |