視点 オピニオン21
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環境カウンセラー 片亀 光さん(玉村町上新田)

【略歴】筑波大卒。環境評価機構代表取締役。高崎経済大非常勤講師。環境カウンセラー全国連合会常務理事。エコアクション21審査人。省エネルギー普及指導員。

冬場のエコライフ


◎地球温暖化に歯止めを

 昨年ほどではなかったが、今年の夏も暑かった。「クールビズ」はおそらく流行語大賞にノミネートされるだろう。おかげで気弱な私もノーネクタイで過ごすことができた。

 わが家のリビングにはエアコンがない。風通しがよい間取りのおかげである。二階の寝室と子供部屋には合計三台あるが、ほとんど出番はなかった。子供は数回使ったようだが、寝室のエアコンは一度試運転されただけで、扇風機にレギュラーの座を譲った。

 別にやせ我慢をしているわけではないが、結果的に今年もわが家の電力消費は過去最少を記録しそうである。ちなみに、年間の電気代は五万三千円台(月額四千四百円台)で、一戸建て四人世帯全国平均の約三分の一となる見込みである。

 ところで、活躍しそびれたわが家のエアコンはプラグを抜かれて、すでに冬眠している。シーズンオフにエアコンのプラグをつないだままだと「待機電力」が消費され、平均二六キロワット時/年・世帯(約五百七十円)が無駄になっている(財団法人・省エネルギーセンターの平成十四年度「待機時消費電力調査」)。

 電子レンジでは常時接続している場合には使用時電力より待機電力の方が大きくなるというデータもある。テレビ、ビデオ、ラジカセ、ガス給湯器、電話機などを含め合計四三七キロワット時/年・世帯(約九千六百円)の待機電力が消費されているという(前出調査)。予約録画などは別として、支障のない家電製品はプラグを抜くことを習慣づけたい。

 さて、冬に向けて今度は「ウォームビズ」が提唱されている。灯油などが値上がりしているので、暖房の効率化は家計に直結する課題でもある。そこで、ぜひお勧めしたいのが「雨戸」の活用である。

 大雨の時にしか雨戸を閉めないという家も多いようだが、晴れていても暖房期間中は毎晩閉めてほしい。なぜなら、せっかく暖房しても雨戸なしのガラス窓から多くの熱が逃げ、燃料が浪費されるからである。また、結露によって住宅を傷める原因ともなる。

 日中は冬の日差しをしっかり取り入れ、日が西に傾いたら早目に雨戸を閉めるのが暖房費節約のポイントである。扇風機を上向きに回して室温を均一化するのも効果的だといわれている。

 群馬の冬は晴天が多いので、布団を干せるのがありがたい。電気毛布なしでも暖かく眠れる。風呂にはなるべく続けて入り、保温シートを活用するのもお勧めである。

 電気ポットや炊飯ジャーの長時間保温は電気の無駄になるが、真空保温調理鍋はガスの省エネになるだけでなく、煮豆やカレー・シチューの煮込みなどに重宝する。ついでに、わが家にはないが、暖房便座の適切な温度設定やふたを閉めておくことも大切だ。

 地球温暖化によって昔より暖かくなったはずの冬にこそ、エコライフで温暖化に歯止めをかけたいものである。

(上毛新聞 2005年11月16日掲載)