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◎身に付けたい食習慣 朝食は午前中の活動源ですが、若い青年層を中心に朝食を食べない人が増加傾向にあり、二十―三十代で朝食を食べない人の三人に一人が「小、中、高校生」から食べなくなったという。子供のころに良い食習慣を身に付けることの大切さが浮き彫りになっている。この年代が親の世代になっている今、子供たちの食生活はどうだろうか。 学校では三、四時間目になると、体の不調を訴えて保健室に来る子供がいる。その中には特に熱もないが体がだるいという子供もいる。話を聞いてみると、朝食を食べないで登校した子供や、食べるには食べたがその内容に問題のある子供が多い。朝食べずに昼食までの長い時間を空腹のままでいると、脳が働くためのエネルギーが不足してくる。そのために午前中をぼんやり過ごすことになり、授業に集中できなくなる。また体温も上昇せず体がフラフラしたり、不調を感じる。体調不良の原因が朝食にあることが少なくない。 米国では二十年くらい前から学校で朝食給食を行っている。さまざまな理由から家で朝食をとれない子供たちが半数近くもいて、授業に集中できないことから始まったとされる。また、米国の持つ社会問題も大きく影響しているという。日本でもある中学校で朝食を食べてこない生徒に「朝の給食」を試みているところがある。そのうち学校で朝食を食べさせようなどという時代がこないとも限らないが、それよりも先にやるべきことがあると思う。 まずは子供たちに朝食の大切さを理解させることが大事なのではないか。なぜ食べるのか、どんな食事をとったらいいか、そのためにはどうしたらいいか、子供自身がしっかりと理解することが大事だ。 ライフスタイルの多様化、働く女性が増えていることから、朝は何かと忙しい家庭が増えていることや、朝食欠食の割合が多い年代が親になっていることなどから、大人が朝食を軽視しがちになっている。まずは大人たちが食習慣を見直していくことが、子供たちに良い食習慣を付ける一歩ではないだろうか。 また、朝食の内容も見直す必要がある。朝食を食べてきた子供でも「ご飯だけ」「パンだけ」という栄養素の偏った食事が目立つ。これでは体調を崩してしまう。食事の基本である「主食+主菜+副菜」をそろえた食事を心がけてほしいと思う。忙しくて朝から料理なんて…という声もあるが、たまには子供たちに朝食づくりを手伝わせてもいいのではないだろうか。 小学校高学年では家庭科で栄養に関する知識や簡単な調理も学習するのだから、親が忙しかったら自分で自分の体を考え、簡単な料理を作るのも食の自立につながる。家族そろって食事をすることが難しくなっている時代だが、少し早起きして家族の顔を見ながら朝食をとり、元気に一日をスタートさせたいものだ。 (上毛新聞 2005年11月5日掲載) |