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◎考えよう日本の食と農 職業としての農業に誇りを持ち、農業と農村にしっかりと向き合って、生き生きと暮らしている県内の若い女性農業経営者五十五人が、平成十四年三月に「アグリレディースネットワークぐんま(以下・ALNWG)」(江原美津子代表)を結成しました。 彼女たちは、自分で生産した安全な農産物を自信を持って消費者に提供しており、幅広い情報収集と異業種との連携により自己研さんに励み、仲間と切磋琢磨(せっさたくま)して各自の経営のレベルアップを図っています。また、農業の大切さを伝えたり、豊かな自然環境を次代の子供たちに残していけるような活動もしています。 実は、この組織が中心となって、十一月二日に「旬祭ぐんま2005」(テーマ「わたしたちが作りました。直接伝えたい この思い!」)を高崎市上大類町の大型結婚式場で開催することになりました。今日では、消費者に信頼される安全、安心な農産物を生産、供給することが農業者にとって重要な役割となっています。 「旬祭ぐんま2005」では、食育コーディネーターの大村直己氏が基調講演した後、同氏がコーディネーターとなって、消費者、生産者らのパネリストによるシンポジウムを行います。その後、会場のシェフが調理した豪華料理を囲んでの昼食交流会を実施する予定です。県内各地で生産している野菜や果物、豚肉、牛乳、コンニャクなど、自慢の食材を使った料理を二百人分用意し、県内外から参加者を募ることにしています。 生産者、調理者、消費者がそれぞれの立場から、本音で率直な意見を出し合うよい機会ですし、地域農産物や農業についての相互理解を図るとともに、県産農産物をもっと多く消費していただくきっかけになることを願っています。 これまで、私どもは公的な立場で食の安全、安心や地域農産物の地域内消費の拡大推進の場を設定したり、情報提供を数多く行ってきましたが、生産者自らが企画した今回のような大きなイベントは県内では珍しく、主体的に経営参画している女性農業者の皆さんが一丸となって実施することは画期的です。 つまり、ALNWGの女性たちは、農業経営主として必要な能力である情報収集力、マネージメント力、モチベーション力、実行力とコミュニケーション力、コーディネート力を兼ね備えているとともに、各自の経営改善だけでなく、食料自給や自然環境の大切さを次世代へつなげていく努力をしています。 従って、消費者の皆さんも安全な農産物について、国内生産者への要求だけでなく、輸入農産物の流通や外食産業で使われている食材の実態を知り、ご自身の食生活における「食の選択と行動」についても振り返っていただきたい。そして、食の基本とは何なのかを考え、「日本の食と農」を生産者の皆さんとともにはぐくんでいただきたいと思っています。 (上毛新聞 2005年9月4日掲載) |