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◎「元気な群馬」の創出を 駅伝の世界で、本県勢の活躍ぶりが目立っている。 一月に広島市で開催された都道府県対抗男子駅伝で、本県選抜チームが過去最高の五位に入り、初入賞を飾った。そのほか、昨年十二月の全国中学駅伝では女子・芳賀中が四位、男子・中之条中が十二位、同じく十二月の全国高校駅伝では男子・農大二高が三位、女子・常磐高が四位、そして京都市で一月に開催された全国都道府県対抗女子駅伝でも、本県選抜チームが七位入賞の実績を残している。 テレビ、新聞等を通じて選手の活躍の様子を目にするとき、私の場合、本県勢の活躍もさることながら、選手の胸のゼッケン・ナンバー「10」の方がむしろ気になる。おそらく北海道を「1」、青森県を「2」と北から数えてくると、本県は単純に「10」いう数字になるものと思われる。そのことを承知しているにもかかわらず、「10」という数字に偶然以上のものを感じる。 その理由は、以下の二点にあると思われる。(1)アメリカでよく用いられる「全米トップテン(10)」(例えば某大学某学部の学生が自分の属する学部が全米十位以内の評価を得ているか、といった文脈の中で用いられる)という言葉と、一都一道二府四十三県の中における本県の位置付けのイメージを重ね合わせていること(2)本県が常に全国「元気度」トップテンに入るようになりたいという願望を抱いていること。 本県の実勢を示す統計数値のうちトップテン圏内のものを幾つか例示してみると、有効求人倍率・コンニャクイモ収穫量・収繭量・生シイタケ生産量・自動車一台当たり人口・女性免許取得率・キャベツやキュウリ収穫量各一位、ウメ収穫量二位、コイ生産量・小麦収穫量各三位、高校卒業者の県内就業率七位、出生率十位といった具合である。 次に、トップテン入りが有望なものとして十一位から二十位を見ると、一人当たり県民所得・製造業の事業所数・年間製造品出荷額各十二位、農業産出額十六位、耕地面積十八位、従業者数十七位、着工新設住宅数十六位、県内総生産十九位といった項目が目を引く。これらを十位以内とするための努力を積み重ねることによって、本県は「かかあ天下」や「空っ風」という従来のイメージ以上に、「豊かで活気があり、働きやすく快適に生活できる環境の整った群馬県」という評価を高めることができるのではないだろうか。 バブル崩壊、「失われた十年」を経て、ようやく景気の先行きに光が差し始め、県の税収も〇五年度は若干増えることが予想されている。今年こそ、産・学・官そして県民が手を携え合って、産業の育成と集積、男女共同参画、子育て支援、社会福祉の充実等を通じて、「よいことすべてトップテン」の元気な群馬創出を目指す元年としたい。 (上毛新聞 2005年3月8日掲載) |