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◎市民と行動する職員に 行政改革が叫ばれている今日、改革に不可欠なのは、携わる職員の意識改革であろう。職員が未来を見据えて改革のためのアイデアを創出、研究し、自らがいかに市民の立場に立って実践できるかにかかっている。 職員はいつでも市民と同じ目線で、市民活動などを積極的に実践。市民・地域とのパートナーシップを発揮し、まちづくりを協働で行う仕掛け人になることではないだろうか。 行革の目的は、経費の抑制をベースに、機構、制度、運営を改め、変えることであり、その手段として効率化、合理化、簡素化、そして定員削減が求められている。 これをクリアするには、地域を愛し、自ら実践し、仕掛け人になれる職員が行政現場にいれば可能だろう。限られた予算、人員で、市民が満足できるサービスが提供できると思う。また、自ら実践する職員であれば、市民が行政に期待するサービスも容易に把握できる。前例の踏襲でない、その時々のニーズをいち早く市民サービスとして提供できるだろう。さらに、市民の無理ともいえる要求も、誠意をもって説得することで、不満を残さず納得してもらえるはずである。 ここで、市民活動と行政とのパートナーシップの一例を紹介したい。 十月十日、尾島町ボランティア連絡協議会傘下のボランティア、NPO(民間非営利団体)、企業などの社会貢献活動団体が町ボランティア推進課と協働で「おじまボランティア祭り」を開催した。寄付金の積み立てを目的とした町ボランティア推進基金条例が創設されたのに伴い、バザーなどを行って、基金に収益の一部を寄付しようというのが祭りの発端だった。 この祭りで町が行った支援は、会場の提供のみだった。町ボランティア連絡協議会では、来場者にプレゼントする草花の購入費などに四万円を支出した。集客用のポスターやチラシについては、手作り、手配りである。 当日は各団体出店のバザー、ミニコンサート、プレゼントコーナーなどに予想をはるかに上回る人出でにぎわった。参加したボランティアスタッフの美しく輝く笑顔が、私に強烈なインパクトを与えてくれた。 町の予算を伴わない「おじまボランティア祭り」で得たものは、計り知れないほど大きなものとなった。まず、ボランティア同士が一堂に会し、交流の場となったこと。世代を超えた人たちのふれ合いの場となったことも、大きな意味を持つ。さらに、各団体の活動資金確保の場となった。 場所を提供した町には、各団体の収益金の一部三十一万円を町ボランティア推進基金として寄付していただいた。 行革とは、真に地域を愛し、自ら実践し、市民と一緒になって行動する職員が、どれだけいるかにかかっている。 (上毛新聞 2004年12月17日掲載) |