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◎参加者が街の応援団に 今年も四月から「おはようだんべえ踊り教室」が始まった。この教室は、前橋まつりで踊る「だんべえ踊り」を日曜日の朝、教えている練習会のことである。 「だんべえ踊り」は平成七年の前橋まつりから始まった。昭和三十年代につくられ、三橋美智也が歌った「前橋音頭」を現代風にアレンジし、主題曲の間にジャズ、ファンク、サンバの各バージョンが入る大変ノリのよい創作踊りである。だんべえ踊りが始まった当初は、約七百人の規模からスタートしたが、年を追うごとに倍増し、今や祭りのときの参加者が一万人をはるかに超える勢いで、前橋市の元気を象徴するものになっている。 徳島の阿波踊りに「踊る阿呆(あほう)に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ、損、損」というフレーズがある。だんべえ踊りも同じで、祭りのとき、観客席の歩道から見ていると、躍動的なリズムではつらつと踊っている参加者の姿に魅せられ、「ようし、来年は踊る側に回って快感を共有してやるぞ!」と思うようになるらしい。 私もその一人である。しかし、だんべえ踊りの振り付けは結構難しく、運動センスのない私などは到底独学で覚えられるものではない。また、身近に教えてくれるところも、あまりなさそうだ。そこで、コムネットQで「おはようだんべえ踊り教室」を開催することになった。 この教室は、だんべえ踊りを教えることだけが目的ではない。いかに市民の皆さんに日常的に街に来てもらい、街を身近に、そして楽しいことができる場所として感じてもらうことができるか、という問い掛けの中から生まれたものである。 スタートして四年目になるが、口コミで小学生から年配の方まで、常時六十―七十人の皆さんが毎週楽しみにしていて、集まってくださる。十月の祭りが近づくころには、会場となっている銀座通りの「Qの広場」からはみ出るくらいの盛況である。 「おはようだんべえ踊り教室」が、かくも人気を博していることについては、いくつかの理由がある。まず第一にスタッフメンバーのキャラクターがユニークで魅力(魔力?)があり、つい引き込まれてしまう点だ。伊東研一氏はじめスタッフの教え方はそれぞれ天性のものがあり、ジョークを織り交ぜた指導は参加者の表情を笑顔に変える。第二に、毎回、初心者を対象にしているため、誰もが安心して同じレベルで参加できる点だ。 三つ目の理由は、この教室が出会いの場になっていることである。チーム「おはだん」として温かな人間関係を基軸にした連帯感があり、何よりも心強くありがたいことは、教室の参加者が街の応援団になってくださっていることだ。コムネットQが企画する各種のイベントや作業をお手伝いいただくことも数多い。 「おはようだんべえ踊り教室」は十月三日の日曜日まで続く。だんべえ踊りを今年こそは覚えたいと思っていらっしゃる方、ぜひ日曜の朝九時に前橋の街中に足を運んでみてはいかがでしょう。 (上毛新聞 2004年5月15日掲載) |