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◎祭り通し理解と協力を 以前、この欄で仲間と協力し、障害を持つ人のための通所作業所「いぶき」を開設したことを記しました。県下で四十一番目でしたが、定員十人、指導員二人の態勢でスタートしたのは一九九八年十一月でした。 翌年四月、作業内容もほぼ定着し、自主製品である焼き菓子製造も軌道に乗り始めたことから、仲間と話し合い、多くの方に福祉作業所の存在を知ってもらおうと、「第一回いぶき祭り」を企画しました。 初めてのことなので、他の施設のイベントをお手本にして、模擬店やバザーなどを開きました。祭りのテーマを〈花とお菓子の祭典〉と銘打ったこともあり、自主製品のクッキー販売はもちろん、業者に出店を依頼してお菓子のつかみ取りや花の苗の直売なども行いました。 これだけのイベントを開催するには、実行委員とスタッフ数名では到底足りず、「いぶき」利用者の保護者や渋川市の職員有志、小中学校の先生、知人など大勢の方々の協力を得て、開催することができたのです。当日は晴天だったこともあり、予想以上の参加者があり、市長、市議会議長も駆けつけてくれました。 それからは毎年、祝日の四月二十九日を「いぶき祭り」の日と定め、開催してきました。そして、今年も二月から実行委員会を開いて、「第六回いぶき祭り」の準備を進めています。 第一回の開催で、祭りを盛り上げてくれたのは、障害を持つ方たちの音楽グループ「チーム赤城」の皆さんでした。二回目からはNPO法人「シーヤクラブ」の仲間で、高校生を中心としたバンドチームが出演。第五回の昨年は、地元老人会の皆さんによる民謡踊り、ウクレレ愛好会のメンバーによる演奏、そして前橋より「だんべえ踊り」グループの皆さんらの参加出演があり、年々、盛り上がりを見せております。 会場づくりなど、裏方のボランティアとしての参加者も、NTT労働組合の皆さん、ミニストロングの皆さん、群馬社会福祉大学の学生さん、群馬大学の医学生を中心としたグループ「エルモ」の皆さんと、年を重ねるごとに増えています。このように「いぶき祭り」が盛大に開催でき、参加者も増えておりますことに、人と人とのつながりの大切さを実感し、本当にありがたく感謝しております。 しかし、当初の目標である「いぶき」の存在と、そこで働く利用者の様子などを、多くの皆さんに認識していただくところまでには至っておりません。私たちと同じような小規模通所作業所はいずれも、その地域の方々のご理解とご協力を望んでいるのです。運営がスムーズに進行している作業所は、必ず地域との連帯がうまくいっているところ、と言われています。私たちも、そうありたいと願っています。 通所作業所「いぶき」は、桜から始まり、レンギョウ、ユキヤナギ、ツツジと、花の名所である渋川市総合公園の北口にあります。今月二十九日の「第六回いぶき祭り」に一人でも多くの方が、お花見を兼ねて参加くださいますことを、心より期待し、お待ちしております。 (上毛新聞 2004年4月22日掲載) |