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◎練習重ね花を咲かそう 去る三月二十一日、みらい音楽広場での子供チームのデビュー曲「元気印」。衣装に身を包み、元気よくたたく姿に、見ていたメンバーは涙ぐんでいました。それは、昨年夏に楽譜をもらってからの、すべてを知っているからです。 手が上がっていない、声が出てない、元気がないと注意されっぱなしの練習。やる気が表に出てこなくて、先生方に喝を入れられたこと。真夏の体育館で、音が漏れないよう締め切った中での練習。床で慣れない正座をしてたたいたり、初めての低い姿勢での斜め打ちに四苦八苦する姿。いつしかバラバラだった音やたたき方がだんだんそろってきて、振りが自然になってきたこと。小さい体でリズムを取りながら、すごくいい雰囲気でたたくようになった子。曲を通してひと回り大きくなった姿が、そこにありました。 子供チームの名前は「夢む現げん」。夢を現実にしてほしいという願いと、無限の可能性を秘めているという意味を持っています。市民太鼓では、名前を付ける時は必ず募集をして、みんなで考えます。「夢現」も募集をした中から、子供たちが話し合って決めた名前です。子供のチームに居られるのは高校生まで。三月で五人が卒業しました。夢現のメンバーは毎年替わっていっても、夢は変わらずに持ち続けてほしいものです。 さて、藤岡市民太鼓だけの初めての発表会を、三月二十七日にみらい館小ホームで開きました。きっかけは、ささいなことでした。練習していても、日が合わなくて出られない人がいたり、曲によって決められた人数があるため出演できない人もいます。そうした人たちの発表の場はないだろうか、と考え始めたことです。そこで、市民太鼓だけの発表会にすれば、全員がたたくことができ、時間も余裕をもってできることから、実現に向けて計画が練られました。 最初は、家族に見にきてもらい、楽しんでもらおう、ということから始まりました。そのうち、一般の方にも気軽にのぞいていただきたい、せっかくだから「発表会に名称を」ということになり、「鼓こ春はる―いずれ花咲くコンサート」にするなど、少しずつ色付けされていきました。練習のすべての時間が出演曲の練習となり、自分の曲の合同練習以外は、あちこちに散らばって自主練習やグループ練習をし、時間がいくらあっても足りませんでした。 今回初めて違うパートに挑戦したり、笛を吹いたり、ボディーパーカッション、バンドと太鼓のコラボレーション、手話をしながらの歌と、メンバーの持ち味をすべて詰め込んだ二時間半でした。中には初出演の四期生もいました。もちろん、他の太鼓チームのように魅せる舞台とは程遠いのは分かった上で、普段、頑張っているメンバー全員を見てほしい、みんなの“一生懸命の下手”を見ていただきたかったのです。 いつもと違う緊張感の中で、瞬く間に時は過ぎていきました。反省点は多々あれど、終わった後のみんなは、とてもいい笑顔でした。いずれ花咲くコンサート―今はみんなつぼみでも、少しずつ、そして確実に、花を咲かせていきたいと思っています。 (上毛新聞 2004年4月17日掲載) |