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藍天企業(有)代表取締役 井野 敦子さん(高崎市旭町)

【略歴】農大二高、東京国際大卒。高崎商工会議所女性経営者情報分科会長。県IT活用やる気塾幹事、WW21コアメンバー、中国茶文化協会認定中国茶インストラクター。中国中央政府公認中級茶芸師。

仕事と家庭の両立



◎働く女性の意識向上を

 働く女性に加え、経営に従事する女性が増えている。そのような時勢の中、高崎商工会議所の異業種交流研究会内に「女性経営者情報分科会(通称CCII)」が発足した。

 異業種交流研究会は昭和六十年に発足して以来、製造業、観光業、アパレル関係、電気関係など異なった業種三十一社が集い、月に一度、勉強会を開いて情報交換を行っている。うち、県の「一社一技術」企業に十四社も選ばれており、昨今多く見受けられる異業種交流の中でも、活発な活動を行っている成功例の会として注目を集めている。

 CCIIは、この研究会の分科会の一つとして一昨年九月に発足し、早くも一年半がたった。メンバーはやはり多業種で、製造業から企画立案、人材派遣会社、企業診断士など、経営者または経営に携わっている女性八人で構成されている。現在、働く女性とって、民間レベルでの活動が多くなっているが、経営者サイドすなわち雇用する側の女性たちの活動グループはあまり例がないとのことで、発足した。

 当初は各自の事業の問題点を取り上げ、話し合ったりした。雇用する側であっても、女性として家庭や育児、両親の介護等は避けて通れない問題である。特に経営に従事している女性となると、家庭の事情で仕事を辞めるわけにもいかず、妻、母、社長に加え、二代目、三代目になると嫁という立場の女性もいる。一人三役どころか四役をこなさなければならない。そんな多忙な中で、雇用する側の女性たちはどのように仕事と家庭を両立しているのだろうか、という素朴な疑問からスタートした。

 CCIIの活動の一つとして「経営しながらの子育て」問題がある。昨年六月、県特別政策本部の部長さんとの懇談会があり、今まで討論してきた育児補助制度や、行政への提言をまとめてお聞きしていただく機会に恵まれた。これは、県民全体から広く意見を求め、行政へ反映していく試みから設けられ、県では各方面からの意見をまとめた冊子が出来上がっている。

 この時、CCIIが提言した内容は、経営者側が育児休暇や介護休暇を従業員に利用させる場合、雇用する側の負担が大きいということを挙げさせてもらった。また、子供が通う保育園の地域限定枠を広げてほしいこと、学童保育の在り方など、短い時間では話が尽きず、どれ一つとっても、それだけで討論会ができそうな中身の濃い内容だった。ただ、どの団体(組織)から挙げられた提言なのかが冊子に記されていない。提言者の背景が不明りょうなのが残念だが、興味のある方はぜひご一読いただきたい。

 今後、CCIIは前述の活動に合わせ、雇用する側から見た雇用される側の女性との意識の違いや、働く女性が共通して抱えている問題点の改善をテーマに活動を進めていくつもりである。県外の諸団体との連携や交流会も予定されており、徐々にではあるが、活動が浸透し始めていることを実感している。微力ながら本県の働く女性の意識向上に取り組む活動を、県内外にPRしていければと考えている。

(上毛新聞 2004年4月13日掲載)