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県サッカー協会名誉会長 松木 正忠さん(富士見村小暮)

【略歴】東京教育大(現筑波大)体育学部卒。元全日本代表候補。同大付属中教諭を経て、群馬大教育学部講師、同助教授、同教授を務める。1992年に県サッカー協会会長に就任、昨年5月から名誉会長。

年配者のサッカー熱



◎いつも青春の気持ちで

 「先生、オレたちはもっともっとサッカーをしたい。群馬もリーグをつくってください」。群大サッカー部卒業生の悲痛な叫びだった。その声をきっかけに、昭和四十五年に群馬サッカーリーグが誕生し、今年で三十四回を数えている。

 現役を離れてもサッカーをやりたいという声はずっと続き、昭和四十七年の敬老の日に関東四十雀がらサッカー大会が東大御殿下グラウンドで始まった。群馬のチームも第二回大会から参加し、今年で三十二回を迎えるが、年とともに五十雀、六十雀もでき、四十雀はトーナメントで優勝を争い、五十雀、六十雀は二試合の交流試合を楽しんでいる。

 一方、全国では生涯スポーツの祭典「全国スポレク大会」にサッカーが入り、私も熊本大会に参加したが、現在は五十歳代の大会になりつつある。

 また、厚生労働省主催の年輪ピックでは、第五回の山梨大会でサッカーが取り上げられ、本県も参加したが、それ以後、外されてしまった。残念がった愛知県の仲間が健康上、何ら問題ないと認めてもらうため、ルールもスライディングタックルなど危険なプレーは禁止して、平成六年に刈谷市で六十歳以上のスーパーエイジ大会を始めた。行政にも働きかけ、ようやく平成十年の愛知大会でサッカーが復活した。四チームでリーグ戦を行い、ブロックごとに順位を決める方式で、本県は同大会で三位となった。

 その後、福井大会で二位、大阪大会で優勝、広島大会四位、福島大会三位となり、昨年の徳島大会でも優勝した。徳島大会では十一ブロック四十三チームが参加したが、今年の群馬大会ではもっと増える予想だ。

 日本サッカー協会でも六十歳以上のシニアサッカー大会を主催し、われわれも選手登録して昨年は福島のJビレッジで行われた。本年は熊本で開催されることになっている。

 また、本県では四十雀サッカーリーグも始まり、来期は十四チームから十六チームになる。先月行われた表彰式後の懇親会では、五十雀リーグ待望の声が多く聞かれた。

 このように年配者のサッカー熱がますます高まり、大会によっては七十歳以上のロイヤルゲームを組み込んだり、七十歳以上の全国大会も企画されはじめている。

 サッカーが激しいスポーツと言われている中で、生涯スポーツとして「いつも青春、ずっと青春」の精神でゲームを楽しむとともに、全国に散らばった昔の仲間と大会で再会し、旧交を温め、また開催地の人たちと友好の輪を広げることが生きがいともなっている。

 今年も館林女子高との試合を皮切りに、全国シニアサッカー大会、関東四十雀、藤岡市で開かれる年輪ピック、関東六十雀など十数試合を予定しているが、遠征費などもかかり、年金生活者にとっては負担が重荷になったり、仕事を持っている人は休暇が取れない人もいる。その取りまとめ、グラウンド探しなどで大奮闘している四十雀連盟の海野会長、池内事務局長、町田六十雀会長を始めとする役員の方々に感謝して、生涯サッカーをともに楽しみたいと思っている。

(上毛新聞 2004年2月29日掲載)