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おおたNPOセンター運営委員会副委員長 土橋 達也さん(太田市岩瀬川)

【略歴】大宮市(現在のさいたま市)生まれ。東京商科学院卒。会計事務所勤務の傍ら、太田青年会議所で魅力あるまちづくり実践特別委員長理事などを歴任。現在、太田まちづくりキャラバン隊顧問。

まちづくり



◎町リーダーの存在不可欠

 昨今、ますます複雑多様化する地域課題に対して、従来の企業や行政主導による解決策にかわり、住民主体あるいは住民参加による問題解決に向けたアプローチが、各地で活発に取り組まれています。ここでは三年間にわたり行政の方々に支援をいただきながら、地域住民の方々とともにはぐくんできた「公園リメイク」活動についてご紹介させていただきます。

 当時、太田青年会議所では、NPO活動のケーススタディーとして、既存の老巧化した都市型公園を地元の方々が希望する「憩いの場所」に整備する活動に取り組みました。活動実施に向けて、公募による「公園リメイク実行委員会」を組織し、地元区長さんをはじめ行政・市民の方三十人ほどでスタートしました。

 実行委員会の運営は公園リメイク(案)設計を中心とするグループと、公園の整備費用および活動の運営費確保のための自主収益活動を中心とするグループに分かれ、月二回のペースで企画運営会議を行いました。

 公園リメイク(案)の設計に際しては、地元の住民を中心に子供から年配者の方々に、理想の公園へ向けてのアンケート調査と市内外の公園への視察も行いました。アンケート内容を基に協議を重ね、独自のリメイク(案)を市に提案させていただき、市は実行委員会のリメイク(案)を採用し、本格的なリメイクがスタートしました。

 当初、自主収益活動で得た資金で公園リメイクを実践する計画でしたが、市長をはじめ行政サイドが活動を理解され、公園整備のための予算を付けてくださることとなりました。リメイクは二期にわたる工期を経て、実行委員会での整備案がすべて網羅されることとなり、当初計画していたものから大きく広がったことは、うれしい誤算となりました。

 その後二回にわたる整備作業には三百人を超える地域住民の方に参加をいただくことができました。参加された方々の地域(まち)を愛する心と気持ちいい汗のおかげで老巧化した公園は憩いの場所に生まれ変わることができました。

 年齢・性別・職業の枠を超えた集まりの中では、終始和やかな雰囲気の中にも熱い論議を交わす場面もあり、まちづくりに本気で取り組んでいただいているのを実感しました。今回の活動で感じたことは、地域社会づくりに意識のある方々は少なくないということと、行政は身近な存在であるということでした。そして、なによりも住民自立型の地域社会づくりを実践していくためには、地域住民・行政・企業とのコネクト役や資金管理面の両方を兼ね備えたコミュニティーリーダーが必要であると思います。

 自らの能力・経験をまちのために最大限に生かし、新たな価値が次々と創造されることにより、人々が幸福を実感できるようなまちづくりを今後も目指したいと思います。時には困難な事例に向かって、仲間と共に実践することの醍だい醐ご味みを味わいながら。若いまちづくり大好き人間の成長に期待を込めて。

(上毛新聞 2004年2月22日掲載)