視点 オピニオン21
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藤岡市民太鼓会計 岡村 和代さん(藤岡市藤岡)

【略歴】文化服装学院服飾専攻科卒。会社員を経て家業の婦人服地専門店に。群馬青友会会長、藤岡商工会議所青年部・会員委員会、経営研修委員会の委員長などを歴任。2001年から現職。

家族に感謝



◎太鼓たたいて気分一新

 藤岡市民太鼓の特徴は、何と言ってもメンバーの数の多さですが、なかでもまるでどこかの一族がたたいているような幅広い年齢層でしょう。実際、家族で参加している方も多く、会長夫婦を筆頭に四組の夫婦、親子に至っては十五組、なぜかすべて母親です。親にせかされながらも、仲良く通ってくる姿がほほ笑ましいのです。家族で共通の趣味があると話題も増え、特に難かしい年ごろの子供たちにはいいことだと思います。

 太鼓に限らず、何かを始めるには家族の理解がなければ決して続けることはできません。言葉にしなくてもいつも感謝しつつ、家族のために食事の支度をしてから駆け付けている方も多いのです。私は自営ですので、出演のときは母にお店をお願いして出掛けています。文句も言いたいところでしょうが、あまり私が楽しそうにしているので言葉をのみ込んでいるようです。こうした温かい家族に見守られて、市民太鼓は成り立っています。

 どんなに疲れていても、嫌なことがあっても、太鼓で汗を流せば気分が一新できます。ストレス解消というより、精神の新陳代謝のような感じでしょうか。この心地よい疲れが明日への活力となっているのです。

 最近、「頑張ってね」と、よく声をかけられるようになりました。その言葉と一緒に、その方の「気」までいただけるようで、元気が出る大好きな言葉です。人前で演奏する以上、いつも気合を入れ、今の自分の中で最高の演奏をしたいと心掛けていますが、すべてがよかったとはならないものです。それでも「前より上う手まくなったよ」とお世辞抜きで言っていただくと励みになります。

 現在、子供のメンバーは三十一人います。前はもっと多かったのですが、中学に入って部活動が始まると、続けたくても両立は難かしいようです。受験生も同じです。そこで、たとえ短い期間だったとしても太鼓でいい思い出を残してあげたいこともあり、子供だけの曲を作ることにしました。今までの市民太鼓を一番分かっていただいている石川県の先生に作曲を依頼し、現在、猛特訓中です。

 子供の中にも、いつも元気な子、なかなか自分を出せない子といろいろです。そして、それは太鼓の音色にも表われます。一人ひとりの持ち味を生かしてあげたいと思っても、実際、引き出していくのは難かしいものです。それがこの曲と先生のご指導により、子供の持ち前の元気良さが太鼓に出るようになってきました。また、今まで大人に任せていたり、言われてから行動していたのが、「自分たちでできることはする」という意識に変わってきました。自分で気付くことが大事なのです。曲を通して少しずつ成長していく子供たちを頼もしく思うとともに、信頼して任せることができるようになりました。

 三月二十一日の「みらい音楽広場」(午後一時半から、入場無料)が子供チームのデビューです。ぜひ、みかぼみらい館へ足を運んでください。

(上毛新聞 2004年2月11日掲載)