視点 オピニオン21
 ■raijinトップ ■上毛新聞ニュース 
県スポーツ振興事業団事務局長 海野 俊彦さん(伊勢崎市福島町)

【略歴】伊勢崎高、日本体育大卒。伊勢崎工高などで陸上競技部指導。県高体連理事長、藤岡高教頭、太田東高校長などを歴任し、県教委文化スポーツ部参事を務めた。伊勢崎市陸上競技クラブ会長。

共通事務局の役割



◎県民総スポーツを推進

 敷島公園から国体道路を四キロほど北上したところに、群馬県総合スポーツセンターがあります。その本館に財団法人・群馬県スポーツ振興事業団(以下、事業団)と同・群馬県体育協会(以下、県体協)の共通事務局の看板が掛かっています。

 両財団の沿革や事務局統合にふれてみますと、事業団は県民総スポーツ運動を進めるため、「いつでも どこでも みんなでスポーツ」を合言葉に、一九七七年に設立。一方、県体協は県内体育団体の統括団体として、スポーツの普及発展と県民の体力の向上を目的として一九二八年に設立されました。

 また、本県ではスポーツ振興策として、一九七八年に「スポーツ県群馬」宣言が県議会で議決され、翌年には「スポーツ県群馬推進マスタープラン」が策定されました。プラン実現に取り組むなか、一九八三年に「あがぎ国体」と「愛のあかぎ大会」が開催され、県民の総意を結集して多大な成果を残すことができました。

 その成果を基盤として県民総スポーツの一層の推進を計るため、一九八五年に県総合施策の一つとして事業団と県体協の事務局が組織的に統合されたのです。このような共通事務局体制は全国に例がなく、急速に多様化の進む新時代のスポーツ活動に対応できた、実務的で柔軟性のある改革でありました。

 現在の事務局業務を簡単に紹介します。スポーツ相談課は県内トップアスリートの医科学検査や一般の方の簡易体力測定を実施し、運動障害の予防や適切な治療へのアプローチを実施。また、医科学講演会を県内各地で開催し、健康づくりのサポートもしています。競技スポーツ課は競技力向上対策を中心に、県民体育大会、国民体育大会をはじめ、国内外で活躍できる選手の発掘、育成、支援を実践したり、スポーツ少年団の登録事務等も行っています。

 生涯スポーツ課は県スポーツ祭、スポーツ少年団関係の大会運営等の業務や、テニス、エアロビクスの公開講座、初心者スケート教室等の企画などを実施。さらに、健康スポーツ指導者バンクから各地域のニーズに対応した指導者の派遣も行っています。スポーツ施設課は、総合スポーツセンター(伊香保スケートセンターを含む)の全施設を県から受託管理している事業団内担当部署。施設の保守管理、利用者の利便性と安全性を第一に考え、日々努力しています。総務課は共通事務局の円滑な事業推進の総括、調整役となっています。

 今後の展開では、当センターが県内唯一の広域スポーツセンターとして、スポーツ情報、各種イベントの案内が可能なネットワークの構築も進められています。

 このように多くの皆さんのスポーツに対するニーズに対応すべく、準備を尽してお待ちしています。ぜひ一度、健康の維持、増進のため、さわやかな汗をかきに出かけてみませんか。

(上毛新聞 2004年1月5日掲載)