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◎絶やすなサッカーの火 このところ上毛新聞スポーツ欄のトップにサッカーを取り上げている記事が多く、サッカー関係者にとっては大変うれしい。 群馬のサッカーは近年急速に強くなり、初出場のワールドカップフランス大会に日本代表として山口素弘、小島伸幸両選手を送り出し、日韓主催のワールドカップにも松田直樹選手がフル出場するなど大きな成果を挙げてきた。 今年は静岡国体で、前橋育英高校の選手を主体とした少年の部が、国見高校を主体とした長崎選抜や静岡選抜を破り、史上初の準優勝を果たしたのを皮切りに、関東リーグ一部でFCホリコシが優勝。二部ではザスパ草津が優勝し、新しくできた飛び級制度で日本サッカー協会の承認を得て、FCホリコシとともに地域リーグに出場した。ザスパ草津が優勝し、自動的にプロのJリーグ一部(J1)、同二部(J2)に次ぐ、アマチュア最高峰のJFL(日本フットボールリーグ)への昇格が決定した。FCホリコシも二位となり、入替戦に出場している。 先日行われた天皇杯一回戦では、県代表のザスパ草津は押し気味に試合を進めながら、全日本ユース選手権優勝の市立船橋高校に1―0で敗れ涙をのんだが、県営サッカー・ラグビー場には六千人を超す観客が押しかけて有料の入場券が完売。入場できないファンが大勢出てしまった。こんなことは県サッカー協会始まって以来のことで、好カードであったにしても入場できなかったファンには心からおわびしたい。 サッカー場については「Jリーグのできる競技場を」と、知事を始め、県議会や関係各位に陳情を繰り返してきたが、いま一つ決め手に欠け、今日に至っている。が、JFLにザスパ草津が入ることが決まり、FCホリコシも入る可能性が大となると、観客席のある芝生のグラウンドが不可欠となる。また、年間一チーム十五試合のホームグラウンド確保が急務であり、そのうえ近い将来、Jリーグ入りするチームが出ることも視野に入れ、本格的に取り組む必要に迫られてきた。 Jリーグに入るためには、一万人を超す座席を有する競技場が必要であり、Jリーグはナイターで行われることも多いため、照明施設なども必要になってくる。このようなことを考えると、競技場の建設もザスパ草津、FCホリコシ、そして将来、Jリーグ入りを目指す図南クラブを始めとしたチームともども、考えていかなければならない。 ザスパ草津には、ひげのゴールキーパー、小島君や主将の鳥居塚伸人君など県内出身の選手もおり、ぜひJ2をめざして頑張ってほしいが、今までの関東リーグと違い、負担金や遠征費など大幅に増える。そのため、応援してくれるサポーターを個人、企業やマスコミ各社にもお願いし、群馬で盛り上がってきたサッカーの火を絶やさぬよう、両チームと一万五千五百二十九人の県サッカー協会の登録選手、それに熱烈なサポーターが一丸となり、さらなる発展を考えるとともに、皆さんの応援を切にお願いしたいと思っている。 (上毛新聞 2003年12月26日掲載) |