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◎歩行者専用道路を運行 前橋市のコミュニティーバス「マイバス」が昨年の六月に運行を開始してから一年が経過し、一便あたりの平均乗車人数は七・六人と、運行開始前に実施した実験時の平均乗車人数三・四人の二倍以上となっており、目標としていた十人に近づきつつあります。 マイバスの主な特徴は圧縮天然ガスを燃料としていること、ノンステップのバリアフリー対応車両になっていることなどがあげられますが、最も大きな特徴は、歩行者専用道路となっている銀座通りを運行していることです。 中心市街地はこれまで、商業機能をはじめとして各種の都市機能を培い、文化、伝統を育(はぐく)んできた「街の顔」となっていましたが、昭和四十年代ごろからのモータリゼーションの進展や土地の高騰、大型店の撤退、ライフスタイルの多様化などにより、商店街の空洞化などが前橋市だけではなく全国的な問題となっていました。 このため、平成十年七月にいわゆる「中心市街地活性化法」が制定され、この法律に基づき前橋市は平成十二年三月に「前橋市中心市街地活性化基本計画」を策定しました。 この基本計画では、市街地の整備改善および商業等の活性化の一体的推進に関する基本方針および目標等のほか、公共交通に関しては、前橋駅と中心商店街、特に重点地区(中央通りや弁天通り、銀座通りなど九つの商店街のある二十五ヘクタールの地区)へのアクセス利便性、トランジットモール等の必要性が指摘されました。 マイバスの運行路線については、警察の理解と協力のもとに歩行者専用道路となっている銀座通りの通行許可を受けましたが、この区間は「トランジットモール」となっています。 トランジットモールは、中心市街地のメーンストリートなどで、一般車両の通行を制限し、道路を歩行者とバスや路面電車(LRT)などの公共交通機関に開放することにより、歩行者の移動補助や、まちの賑(にぎ)わいを創出しようとするもので、ドイツやフランスなどで実施されています。 マイバスの運行開始後、国土交通省からマイバスの運行について問い合わせがありましたが、それは前橋市が既にトランジットモールを実施していることの評価と、国も中心市街地活性化策の一つとして、既存の道路空間をトランジットモール化にすることで検討していること、さらに検討内容をホームページ等により全国の自治体にPRしていきたいため、ホームページに前橋市のマイバスを掲載させてほしいというものでした。 国土交通省のホームページにマイバスが掲載された後、各地の自治体からトランジットモールの実施までの経過に関する問い合わせや、現地を視察したいとの依頼が来ています。 多くの人たちが関心を寄せるマイバスですが、マイバスは利用者の移動手段であることを踏まえ、目的となる買い物や医療機関への通院、公民館等の施設利用など、それぞれの関係者と連携し、マイバスの利用促進にこれからも努力していきたいと考えています。 (上毛新聞 2003年6月28日掲載) |