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あさひ小学校支援隊顧問 森尻 昆男さん(太田市東別所町)

【略歴】太田高卒。米国駐留軍で接客業に携わった後、1958年に群馬県警に入り、実家の都合で64年に退職。民間企業2社に勤務し、86年に退職。昨年4月からあさひ小学校支援隊顧問に就任。

空き巣狙い対策



◎地域の連携で撃退可能

 四月十日午後九時十五分から、NHK総合テレビで「難問解決!ご近所の底力『やればできる住宅街の防犯』究極の空き巣撃退法・全国から集結」と題して全国ネットで放映され、私も思わず興味を持って見てしまいました。

 実は私の住む街でも、本年一月から三月にかけ、月五―三件の空き巣狙い事件が発生(太田中央交番管内)しており、その対策に苦慮しています。「当地区の空き巣狙い防止対策について」と題して、地区内の住民に回覧で予防方法を徹底しました。

 完璧ではありませんが、お出かけ前の確認事項として参考にしてください。

 (1)必ず鍵を掛けたか確認してください(鍵は二カ所以上取り付けてください)。

 (2)玄関の合鍵などをポストの中や、牛乳箱、また簡単に見つかる所に置いていませんか?

 (3)ついでに、ガスの元栓、電熱器などは大丈夫ですか(火災予防)。指差し確認をお勧めします。

 (4)お隣をはじめ、近所の皆さんにもひと声かけてください。

 (5)必要生活費以外の現金は絶対に置かない。

 ―などです。また、回覧には事件現場にいらした警察官の意見や、防止対策について、いろいろと盛り込んでみました。要するに、泥棒は侵入しやすい街とか、しずらい地域というように、必らず地域の得意、不得意を持っているのです。

 現在も旭小学校区支援隊として実施している通学パトロールは、児童の安全通学を守ることばかりではないと思います。ステッカーをボディーに取り付けた支援隊・PTAの車が路地裏までくまなく巡回することによって、立派に空き巣狙い防止対策になっているはずです。

 それには、現在のパトロール隊メンバーの仲間として、多くの協力者が参加してくださることを期待しています。次に徹底したいのは、より多くの住民の皆さんとの挨拶(あいさつ)運動と、隣の家との連携(連絡)による地域内の守備体制の確立にあります。みんなで町全体に関心を持っていれば、児童の安全通学と空き巣対策はできるのです。

 「難問解決!ご近所の底力」の続編として、五月十五日の同時刻から「ご近所のその後 空き巣撃退成功?」が放送されました。どうしても地域住民との挨拶=声かけ=に抵抗があって、しっくりいきませんでしたが、統一ユニフォームの提供者が出たりして、ユニフォームを通して安心して挨拶を交わせるようになったとか。また、無造作に張り付けられていた掲示板(古いポスターをはがすとか)を整備したり、各家庭の身の回りを整頓し、風通しをよくして効果を上げているとかで、着々と成果を出しているようです。

 「浜の真砂はつきるとも、世に盗人の数はつきめえ」とかいいますが、警察に頼るばかりでなく、これからは私たちも社会の一員として積極的に参画していくことにより、今までとは違う何かが見えるかも知れません。

(上毛新聞 2003年6月10日掲載)