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◎事故防止の意識が大切 群馬県警が発行する『交通年鑑』によりますと、全国の交通事故による死者数は、昭和四十五年の一万六千七百六十五人が最も多く、平成十四年の死者数八千三百二十六人の二倍以上となっています。 交通事故は昭和四十年代初め、自家用車の普及に伴い急激に増加したことから、昭和四十五年当時、この増加する交通事故の防止対策が大きな社会問題となりました。 このため、国では昭和四十五年六月に、「交通の安全に関し、国や地方公共団体、車両等の使用者や運転者等の責務を明らかにするとともに、国や地方公共団体を通じて必要な交通安全対策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって、公共の福祉の増進に寄与することを目的とする」交通安全対策基本法を公布しました。 この基本法により、交通安全運動は、国や地方公共団体などの実施機関が一体となった全国的規模で推進されるようになり、群馬県および市町村交通対策協議会では、春と秋は全国運動、夏と冬は県民運動と位置づけて推進することになりました。さらに、交通事故多発地点での施設改善等を行ったことにより、年々自家用車は増加傾向にある中で、交通事故による死者の数は減少しております。しかし、交通事故件数と負傷者数は、昭和五十二年ごろから再び増え始め、平成十三年の事故件数は約九十四万七千件、負傷者の数は約百十八万件と統計上最悪の記録を更新しています。このことから、交通事故を防止するための交通安全運動は、以前よりも増して、強力に推進する必要があると思います。 平成十五年の「春の全国交通安全運動」は二十日まで実施されますが、前橋市では警察署、交通安全協会、その他の関係機関と連携し、交通安全大会や街頭指導などの各種行事を実施しています。 このほか、前橋市では、(1)幼稚園、保育所、小学校の児童を対象とする「交通安全教室」、中学生を対象とする「自転車乗り方教室」などの交通安全教育の実施(2)高齢者を対象とする高齢者交通安全推進委員の委嘱や交通安全大会の開催(3)出前講座による「交通安全講座」などの事業を群馬県警から派遣されている警察官を中心に実施しています。 また、昭和四十四年に交通指導員条例を施行しましたが、委嘱された交通指導員の努力により、登下校時における児童の交通事故の絶無を図っています。交通安全は、道路を利用するすべての人が事故を起こさない、事故に遭わないという意識を持つことが大切であると思います。現在、群馬県交通対策協議会では「マナーアップドライブ“200”」の参加者を募集しています。前橋市役所では昨年、職員自らの安全運転意識の向上を図ることを目的として、三百十九チームが参加しました。今年も、交通ルールやマナーを守り、交通事故を起こさないことはもちろんのこと、思いやる心を持って運転することも含め、この「マナーアップドライブ“200”」に、多くの市民の皆さんとともに参加したいと思っています。 (上毛新聞 2003年5月14日掲載) |