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NPO法人さくらメイツ専務理事 赤石 光政さん(境町東)

【略歴】前橋商高卒。個人経営だった家業の葬儀店を会社組織に替え、1994年から代表取締役社長。2000年にさくらメイツ設立。

壁画コンテスト



◎町づくりへ勇気もらう

 地球環境が温暖化傾向にある中、この冬は寒波の到来も早く、この境町でも、近年ではめずらしく三回の降雪を記録しました。そんな厳寒の中、町の活性化・美化運動の一環として廃業・休業の空き店舗のシャッターに絵を描いてもらい、それを審査する、壁画コンテストを開催しました。制作期間は昨年十二月七日から一月十七日までの四十日間で、目抜き通り十五カ所の巨大なキャンバス(シャッター)に参加十五団体のグループが色とりどりの個性豊かな絵を描いてくれました。

 参加グループは地元中学校の六グループ、高校生二グループ、一般美術愛好団体、小学生のアートスクール、プロのデザイナー、イラストレーター、看板店、家族単位等とさまざま。土・日曜日になると、町の通りのあちこちで参加者の元気な声が聞こえ、町がいくぶん活気を取り戻したような、また徐々に形になっていく絵を見るのが楽しみな、あっと言う間の四十日間でした。

 ただ参加者には都合上、この冬の寒い時期にイベントを開催したことが本当に申し訳なく、特に東西に走る354号の南側店舗のシャッターでは、一日中、日が当たらず、白い息を吐き、手をさすり、足ふみをし、寒さとたたかいながらの作業となりました。参加者にとっては厳しい四十日間だったに違いありません。

 このイベントは町の景観の回復もさることながら、町のために一生懸命に絵を描いている子供から大人までの広い層の方の姿を、大勢の方に見ていただき、そこから会話や交流が生まれることがもう一つの目標です。その点では「町が明るくなるね」「寒いのに大変ですね。ご苦労さま」などの温かい言葉や、激励の言葉を皆さんからかけていただけたことが、このコンテストの趣旨を理解し参加していただいた方々の最大の喜びです。

 また、一月十九日の表彰式には境町長、町議、教育長、商工会長等、大勢のご来賓に出席していただき、審査結果発表後には、境南中学校の生徒さんが参加者を代表して感想を発表してくれましたが、その言葉の中で「町をきれいにすることに参加でき、少しでも役に立ったことがうれしい。あんな大きなシャッターに絵を描き上げることができて本当に良かった。期限まで間に合わないと思い、朝の四時から懐中電灯持参で描きました。これからもいろいろな町づくりに参加していきたい」と述べてくれました。

 その言葉を聞いた時には、主催者全員心の底から熱いものがこみ上げてきました。参加者の皆さんには感謝・感謝の一言です。町づくりの小さな一歩ですが、つぎの小さな一歩を踏み出す、大きな勇気を子供たちからいただきました。

 最後に壁画コンテストに参加していただきました皆さま、並びにご協力をいただきました関係各位皆さまに深く御礼を申し上げます。

(上毛新聞 2003年2月17日掲載)