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◎来年こそ甲子園出場を 今年の伊勢崎野球界の活躍ぶりは、目を見張るものがあります。まず、春の高校野球県大会のベスト4に伊勢崎東、伊勢崎商の二校が残り、その両チームを伊勢崎工が市内リーグで破ったことであります。さらには、伊勢崎興陽に「豪腕投手現れる」との話で、「夏は伊勢崎から甲子園」、こんな期待も抱くことができました。 社会人野球では、伊勢崎硬建クラブが県大会を制し、クラブチームの全国大会が開かれて奈良にこまを進めました。優勝したチームに惜敗しましたが、その実力を全国にとどろかすことができました。 実業団の軟式は、三菱ふそう群馬が本県優勝チームとして、単独チームでは初めて国体予選にエントリーされました。今後の群馬実軟リーグはサンデンも含め、伊勢崎がリードしていく時代が来ているのではないでしょうか。 また、階層別の壮年(四十歳以上)、熟年(五十歳以上)、還暦(六十歳以上)では、毎年好成績を残しており、伊勢崎の野球レベルの高さを物語るものであります。 加えて特筆すべきは、中学野球県大会で、伊勢崎三中が二十三年ぶりに優勝したことであります。二十三年前の選手たちが現在の伊勢崎野球界をリードしており、伊勢崎野球界の隆盛につながっていると思います。また、同世代の伊勢崎一中のOB会には“一球会”という響きのよい組織があり、毎年秋ごろ、現役三年生とOBの紅白試合と、試合後の交流会を行っています。そこには甲子園経験者や野球の指導者もおり、技術的アドバイスのみならず、野球に対する心構えや、社会人としての生き方など、多くの薫陶を受けております。 このように恵まれた環境と高いポテンシャルを持ちながら、残念なことに伊勢崎の高校はまだ一度も甲子園に出場しておりません。たまたま夏休みに、伊勢崎インターチェンジから降りてくる多くのバスの表示を見たら、小山西高の応援団でありました。栃木の人も東京を通らず、日本アルプスを眺めながら甲子園へ行くという事実を知ったとき、もし北関東自動車道がこのまま凍結されるとしたら、北関東の高校球児は伊勢崎インターから甲子園へ向かうのだろうかと考え、「伊勢崎は甲子園へ通ず」などという、新しい街づくりのコンセプトが生まれるかもしれないと思うと、何か少し楽しい気分になります。いずれにしても、こんな便利な甲子園への近道を、地元・伊勢崎の高校が活用しない手はありません。今夏の甲子園は石川の遊学館の活躍が話題となりましたが、二十二年前、伊勢崎三中の優勝チームの主力がこぞって伊勢崎商へ進み、新鋭・角田泰己監督率いる若いチームが二年連続ベスト4に進んだ時は、「伊勢崎から甲子園」と、市民のボルテージが高まったものでした。全国の伊勢崎出身者に、元気な街「いせさき」のメッセージを伝えるとともに、わが街、伊勢崎の市民に大きな夢と勇気を与えてくれる甲子園出場へ向けて、地元・高校球児の活躍に期待するとともに、私たち市民にできる、大きなエールを送りたいと思います。 (上毛新聞 2002年9月30日掲載) |