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◎市民のまとまりが大事 これからのまちづくりに、市民としてどのように取り組んでいく必要があるのだろうか。大きな切り口として市民の代表である市議会・行政、市民活動を考えてみた。 市議会についてみると、市民の代表者として選ばれた議員は、市民が望むまちづくりについてしっかりとしたビジョンを持っている必要がある。ビジョンとはまちの局所的なものではなく全体最適を考えたビジョンである。市町村の財政も逼迫(ひっぱく)しており、合併問題が取り上げられている昨今、合併後にはさらに広域の視点に立ったまちづくりが求められる。 国会議員をはじめ代表者であるべき人物の不祥事が後を絶たない中で、現在の代表者に期待が持てるのであろうか。これは、彼らが利権代表として行動してしまうことに原因がある。市民の代表である市議会議員に対しては、県における市町村の位置づけについて全体ビジョンを語れる能力を求めたいものである。市民から選ばれた首長とともに将来性のあるまちを現実のものとしていくためには必須の能力である。そのためには、市町村民の一人でも多くが自分の住むまちについて、日ごろからより高い視点を持ち選挙に臨む必要がある。 行政については、その仕事を結果評価することが大切である。日本では結果よりは過程が重視される。そのため、できるだけたくさんの困難を明らかにした上で事に当たった方が失敗したときの評価を高くできる。過程重視では、仕事さえ始めれば目的を達成しなくても仕事をしたことを主張できる仕組みとなってしまう。「頑張った」で終わってしまう事業が多すぎるのではないか。 どこのまちでも長期計画があるようだが、計画の節目には達成できなかった事業の原因分析を行うことを求めたい。失敗の分析と対策なくしては偶然を除き次の成功はあり得ない。また、次善の策の立案なくして非常時の対応はおぼつかない。市民とともに将来を見通した高い視点から計画し、その着実な実行と、状況変化に対応できる準備を確実に行うことが大切である。 市民活動については、市民自身による組織の協働活動が大切である。桐生にはまちの規模に比して大変多くの市民活動組織があるという。しかし、全体的にまちが盛り上がってこないのは、それらがバラバラで結束せず、ひとつの力としてまちづくりに生かせていないからであろう。 これだけの資源を持ちながらまちを活性化できないのは、市民意識に問題がある。何事につけまちを二分して争うような土地柄ではまとまりがつかない。まず市民がまとまらなければ活性化はできない。市民一人ひとりが何かできることに取り組み、お互いを認め合うことが大切である。 まちの活性化について六回にわたり考えてきた。読んでいただいたあなた、まず自問自答してみてください。「あなたはあなたのまちが好きですか。まちのことをどのくらい知っていますか。他のまちの人に自慢できますか。来てくださいと言えますか」と。 (上毛新聞 2002年9月15日掲載) |