視点 オピニオン21
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高崎のまちづくりを考える会代表 
渡部 恵知子さん
(高崎市上中居町)

【略歴】高崎市出身、武蔵野音楽大学ピアノ科卒。1974―79年、東京農業大学第二高校音楽科講師、99年度高崎女性経営者研究会会長、92年プチローズ設立、代表。

女の出番



◎心に正直に行動しよう

 私は地球に生きるすべての子供たちへ生命をバトンタッチするためには、自立した男女がパートナーシップを組んだ、成熟した「男女共生社会」の国が増えることが、とても大切だと思います。

 「地球が百人の村」としたら、女が五十二人で、男は四十八人。ちなみに、平成十四年七月末現在の高崎の人口は、日本人の女性は十二万二千五百三十七人で、男性十二万百九十二人。外国人の女性千七百七十七人、男性千二百八十四人と、おおよそ近似の数値が出ています。要するに、神は人間の男と女を一対一で創造されたということです。

 では、自分の周囲を見回してみると、一対一のパートナーシップの原理は、有効に機能しているでしょうか。残念ながら家庭や職場、地域社会において男性優位の場面が多々あるのが現実ではないでしょうか。「女はこうあるべきだ」とか「男とはこういうものだ」とか、たとえ仕事の能力が同じでも、男というだけで役職や賃金格差があったり、女のくせにと、本人の個性や実力、能力を発揮する場面やチャンスを与えられない場合もあります。また、生活圏の地域社会では、しきたりや因習で不合理なこともあります。「女の元気は社会の元気!」をモットーとしている私は、二十一世紀こそ女の出番だと思います。

 先の見えない不安感いっぱいの経済社会。しかし、まじめで正直、いちずな性格と生きる力と知恵をたくさん持っているのも女です。なぜなら、女は「産む性」、つまり「生き抜く力、育てる力」を秘めているからです。

 子供の心をむしばむ大人の快楽主義。教育界も医療現場も、いったい全体どうしたことでしょう! 安心・安全で住みやすいまちを願う者として、憤りを感じてます。

 世の中には情けない男性もおりますし、判断、行動、実行力ともに抜群な女性を何人も知っています。ピーターこと池畑慎之介さんは「男らしさとは種付けする性、女らしさとは子供を産む性」と、明快に表現されてます。これからは、自分で自分の首を締めるような、男・女らしさは捨てて、あなたの個性と私の個性、あなたらしさと私らしさと、人間丸ごと認めあう、真のパートナーシップを求めませんか。

 自分も含め、女性に願うことがあります。それは「周囲ばかり気にしてないで、自分の心を見つめて、見つけて、その心に正直に行動しよう!」ということです。

 さて、来年四月は統一地方選挙が行われます。私は市や県の各種審議会に出席した折、必ず感じたことや意見を述べていますが、そのような場に市民としての女性の声を確実に反映させるためにも、女性委員の数を三―四割増員してほしいと思います。

 また、安心・安全なまちづくりをするための政策決定の場(市・県議会)にもたくさんの女性が議員として参画することが、市民のためのまちづくり=人づくりになるのではないでしょうか。

(上毛新聞 2002年9月14日掲載)