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◎案内本作りまちおこし インターネットの仲間のホームページを見て回ると視野が広がる。国内も海外もアドレスをクリックするだけでつながる。ベルギーに住んでいる日本の主婦が、掲示板に古い石造の建物に人間がよじ登っている石像の写真を載せて、これは何かと質問していた。私はその写真を見て、床に置いてある小さなつぼが、大道芸人がパフォーマンスをした後、小銭を入れてもらう投げ銭入れではないかと思った。石像に見えるが、人間が石像の格好をするパフォーマンスだと思うと掲示板に書き込みをしたところ、質問を出したご本人が、その通りだがよく分かったと驚いていた。私には投げ銭入れのつぼがヒントになった。つぼを夫の両親が住む静岡市内で見たことがあった。同市で大道芸ワールドカップ・イン・シズオカが開催されて十一年目になる。 まちおこしのための企画だが、最初の数年は大会の審査員を市民のボランティアから募集しても応募者が少なくて困ったらしい。毎年イベントを続けてきた結果、昨年は十一月一日から四日までの四日間で百六十五万人の観光客が同市を訪れたそうだ。 館林のまちづくりを考える研究グループが結成されて、今年の夏で三年目に入る。五つの班でまちづくりを考えているが、私の所属する班は「道路と街並み」について考えている。昨年は、館林の市街地で歴史的に古い建物が残っている道路を歴史の小径(こみち)と市で指定したその「歴史の小径」を歩いて、駅から「県立つつじが岡公園」までたどり着ける「まちなか散策ガイド」を作った。地図に「歴史の小径」の近くの無料駐車場と公衆トイレの位置を示し、各名所間の距離を載せた。ゴールデンウイーク期間に館林駅前で、まち研(まちづくりを考える研究グループの略)の各班のメンバーにも手伝ってもらって、ツツジの花見物に来たお客さんに手渡した。四つに折り畳むと手に入るサイズにした。 今年は、昨年の「まちなか散策ガイド」に、飲食店の位置を店名を記入しないで載せた。歴史の小径沿いの古い造り酒屋の店先と、中間地点に「まちなか散策ガイド」のイメージを基にした道路案内板を設置した。そして今年もゴールデンウイーク期間、駅前で「まちなか散策ガイド」をお客さんに手渡したが、昨年、ガイドを渡した人だったらしく、「この地図が欲しかったの!」と喜ばれて、こちらもうれしかった。今年は歴史の小径を歩いている観光客に、市民ボランティアの人が「歴史の小径」の建物や道路の名前の由来について案内を申し出てくれた。お客さんたちは「こんなことは初めて。館林のまちの中を歩いていろいろ勉強になってよかった」とか、「説明はツツジの時季だけですか?」との声があったそうだ。観光都市として館林のまちを活性化させるには、観光客が何度でも訪れたくなる魅力を備えたまちづくりを考えることが大事だとメンバーと話し合った。 (上毛新聞 2002年7月20日掲載) |