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赤城高原農業観光協会長 後藤 忠彦さん(昭和村糸井 )

【略歴】利根農林高卒。元同村農業委員。昭和村りんご研究会の会長を務め、農業の新技術導入など研究。赤城高原農業観光協会の初代会長に就任。昭和村議。
農業体験


◎汚い、つらいは昔の話

 二人は農家の仕事は初めてでした。お手伝いに来る前は農業に対して、あまり良いイメージは持っていなかったようです。時間があるし、行ってみようかな、ぐらいだったようです。

 ゴールデンウイークを過ぎてからですから、まだ日は浅いのですが、二人の農業に対するイメージは変わりつつあるようです。

 それまでは、スーパーや八百屋さん、直売所などでしか触れることのなかった農業、農作物。今はその農作物を作る側に来ています。どのようにして作られるのか、最初から学んでいます。

 また、自然の中に身を置くことにより、鳥の鳴き声や風のにおい、雲の流れを感じていることでしょう。たまには悲鳴も聞こえるので、虫や蛇にも遭っているかもしれません。

 私は二人だけでなく、たくさんの若い人たちに農業の素晴らしさを知ってほしいと思います。これまでは、汚い、つらそう、田舎くさいというようなイメージですが、実際はかなり農業も変わってきています。休みもきちんと取り、機械の導入や最新の技術の利用などにより、汚い、つらいということはなくなってきています。

 農業を体験するということは、自分たちの食べているものがどうやって作られているのかを知るということです。

 これまではイメージや知識としての農業だったと思います。しかし、現実はもっと学ぶことがあります。農作物がどうやってできるのかを知り、それを体験することで、感動があります。自分のやったことが結果として残ります。小さな種が芽吹き、大きく育つ様子や、果物の花が咲き、実が育っていく様子が実感として心に残ります。知識では得られない何かがそこにあるのです。優しくなれたり、癒やされることもあるのでしょう。

 知ってほしいこと、感じてほしいことがたくさんあります。こんな時代だからこそ、農業を体験してみませんか。私たちがお手伝いします。ぜひ、私たちの所に来てみてください。お待ちしています。



(上毛新聞 2002年6月13日掲載)