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上州の夏祭り実行委員会・前事務局長 
滝沢 細雪さん
(前橋市天川大島町 )

【略歴】嬬恋村生まれ。前橋工業短大卒。東日本デザインビジネス専門学校非常勤講師、建築デザイナー。1999年上州の夏祭り実行委総務副部長、00年、01年同実行委事務局長。


アースデー

◎できる範囲で行動を

 毎年、四月二十二日に世界各地で「アースデー(地球の日)」が開催されています。講演会やパレードなどさまざまなイベントが行われ、多くの人々が「アースデー」に参加しています。

 「アースデー」は一九七〇年、アメリカで起きた運動で、地球の環境を少しでも多くの人に考えてもらいたいということから、年に一度地球のために何かしようという日です。

 私は二〇〇一年の「アースデーぐんま」に参加しました。四月からさかのぼること半年前の二〇〇〇年十月に「二〇〇一年アースデーぐんま」運営委員会の設立会議に参加したことがきっかけでした。以前から「アースデー」のイベントなどがあることは知っていましたが、運営委員会の設立から当日までかかわったのは初めてです。四月二十二日を目指して企画内容を考えました。まず、私自身が「アースデー」を理解すること。また「アースデー」で何がしたいかということです。地球の温暖化、資源、ごみ、自然破壊など環境問題もさまざまあります。さらに戦争、飢餓、難病などに苦しむ人たち、地球上で起こるありとあらゆることについて考えてしまいます。

 運営委員会の中での意見もなかなか足並みがそろわず、意思の疎通ができない日が続きました。「環境問題を訴えたい」「戦争で苦しむ子どもたちを助けたい」。人それぞれの思いがあります。ボランティアの意識の差もあります。

 無報酬で働くことを偉いこと、良いことだとは思いません。自分がしたい思いがあって、初めて活動できるものです。思いを人に伝えるにはエネルギーが必要です。

 エネルギーの大きさで人は動き、そこには段階があります。知恵・行動・経済です。思いが伝われば、人は知恵を出して協力してくれます。さらに時間があれば行動をしてくれます。時間がなければ経済的な支援をしてくれます。問題を大上段に振りかざしたところで興味のない人の心を動かすことはできません。私自身できることといえばごみの分別くらいです。日常的に行動していないことを人に伝えることはできないと思うのです。

 そして、私たちは多くの人に「アースデー」という日があるということを知ってもらうイベントをやりたいと思いました。「面白そうなイベントがあるから行ってみよう」「フリーマーケットがあるから行きたい」。そんな楽しいイメージで多くの人が会場に足を運んでくれれば、「アースデー」という日を知ってもらえるのではないだろうかと考えました。

 屋台村・ワールドダンスは本県に在住している外国の人たちとの文化交流を促します。フリーマーケットは身近なリサイクルです。物を大切に扱う気持ちを多くの子どもたちに持ってもらえればと思いました。「アースデー」オリジナル曲を募集し音楽を通して伝えたいメッセージを表現してもらいました。また環境問題で活動されている多くのNGO・NPOの団体や骨髄バンクの方々の協力もいただき、多くの人に参加してもらうことができました。これをきっかけに自分のできる範囲で地球のことを考えてみる日が増えればと思います。

 当日は春の風が強く、参加した多くの人たち、私も含めてですが、自然の怖さをあらためて体験することになりました。


(上毛新聞 2002年5月27日掲載)